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2007.12.10

水漏れ事件(5)

ホットヨガ(八十一回目)の記事にたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m 少しずつ、これまでの感触が蘇って来るような、そんな手応えを感じています。

 午後五時には下の階のご主人様がご在宅だとうかがったので、私はホットヨガのレッスンから帰宅すると、午後五時半頃に下の階まで出向いて行き、呼び鈴を鳴らした。いつものように奥様がドアホンを受けてくださったあと、最初に奥様が顔を出してくださり、それから、出張帰りのご主人様が奥から出て来てくださった。もちろん、ご主人様とも、以前住んでいたアパートの頃からのご縁である。私は、
「お留守中にこのようなことになり、申し訳ありませんでした」
とご主人様にお詫びの気持ちを述べた。ありがたいことに、ご主人様も寛大なご様子で、水漏れの原因などについて、私に再度確認してくださった。私は、我が家の洗濯機の排水ホースが外れていたことや、二度に渡って水漏れを起こしてしまったのは、洗濯機の排水ホースが外れていたことに気づかないまま洗濯をしてしまったことが原因だとご報告した。ご主人様は、水漏れの症状が既に治まっていることを前向きに捉えてくださっているようだった。

 しばらくすると、ご主人様はいったん奥のほうに引っ込まれ、再び何かを手に持って出て来られた。それは、先日、私がお詫びのために奥様にお渡しした商品券だった。ご主人様はそれを私に差し出して、
「これは受け取れませんよ」
とおっしゃった。私は大変恐縮し、
「いえいえいえ」
とひどくたじろいだ。奥様も、
「この前は、いったんお預かりしますということでしたので・・・・・・。お菓子だけはいただきましたから」
とおっしゃる。確かに、商品券とお菓子をお詫びに持参したとき、何だか私が無理に押し付けたような展開になってしまった。きっとご主人様が出張から帰宅されて、ご夫婦で話し合われたのだろう。私がなかなか引き取らないでいると、奥様は更に、
「上と下の関係ですのでね」
とおっしゃった。それでも私は引き取りたくなかったので、
「じゃあ、じゃんけんをして、勝ったほうの言うことを聞きましょうか」
などと大胆なことを提案してみた。するとご主人様は、
「面白いことを言うねえ」
と言ってくださったが、私とじゃんけんをしてはくださらなかった。あまりにも熱心に返却を希望されるので、私はとうとう根負けして、一度お預けした商品券を引き取ることになってしまったのだ。私としては、とても複雑な気持ちである。

 それから、月曜日に業者の方が見積もりに来てくださる話になった。私は、仕事の都合でどうしても立ち合うことができないので、思い切って、この機会に現在の状況を確認させていただくことにした。奥様は、
「片付けてないんですけど」
とおっしゃりながらも、私を玄関のすぐ奥にある洗面所と浴室に案内してくださった。例え奥様が「片付けてない」などとおっしゃっていても、我が家と比べると百倍、いや、千倍も片付いたお家だった。多少の生活感を加えると、ちょうどホテルに一泊したくらいの美しさだろうか。私たちの部屋とほぼ同じ間取りのはずなのに、そこはまるで別世界だったのだ。奥様がいつも、しっかりと家を守っていらっしゃる証拠だ。

 奥様はまず、浴室の上部に取り付けてあるガス乾燥機から、色の付いた水が滴(したた)り落ちて来たことを聞かせてくださった。見ると、お風呂の蓋の上にほんのりとシミが付いている。おそらく、私たちが入浴剤を使ったお風呂の残り湯で洗濯をしていたために、色の付いた水が溜まって落ちてしまったのだろう。奥様のご家庭は、大阪ガスと保守契約を結ばれているとかで、ガス乾燥機が壊れていないかどうか、大阪ガスの方が点検してくださったそうだ。大阪ガスの方はとても丁寧に診てくださり、ガス乾燥機もちゃんと動いているので、現在のところは問題なさそうだと言ってくださったそうだ。

 浴室だけでなく、浴室のすぐ隣にある洗面所の上部の壁の間からも、水が滴り落ちて来たと奥様はおっしゃった。大きな傷跡は残っていなかったものの、洗面台の鏡に水しぶきが飛び散ったという。私は、とにかく謝罪するしかなかった。あとは専門の業者にお任せして、問題のあるところを治していただくしかない。

 ご主人様は、今回の水漏れ事件について、ロジカルに分析してくださった。私たちの部屋の洗濯機の排水ホースが外れていたことが原因だとすると、排水が床下を伝って浴室の床下まで流れ込み、ガス乾燥機の間から滴り落ちて来たのではないかおっしゃった。ガンモの見解もご主人様の見解とまったく同じだったので、ご主人様も理系のご出身かもしれない。更にご主人様は、このマンションで使用している壁には、なんとかかんとかという素材が使われているとかで、その素材が水分を吸収すると、見るからにぷよぷよに膨らんでしまうとおっしゃった。現状、そのような状況には至っていないので、おそらく業者に診てもらっても治すようなことにはならないだろうとおっしゃった。何ともありがたいお話である。

 和気藹(わきあいあい)々とそんな話をしたあと、
「それでは、月曜日によろしくお願いします」
とごあいさつをして、私は自宅に戻った。自宅の玄関に入って鍵を締めた途端、突き上げるような感動が込み上げて来て、どっと涙が出て来た。何ていい人たちなのだろう。水漏れを引き起こしてしまった私たちに対し、ここまで寛大に接してくださるとは・・・・・・。私は、本当にいい人たちに巡り合うことができた。上と下の関係だからという理由で、商品券を返して来られるなんて、なかなかできることではない。もし仮に、これと同じことが私たちの身の上に起こったとしても、果たして私たちは奥様たちと同じ選択がができるのだろうか。

 どんな出来事も、お互いをもっともっと知るため起こる。出来事によって、お互いを知るプロセスが違うだけだ。だから、そのチャンスをできる限り生かさなければ・・・・・・。そう思わずにはいられなかった。今回のようなことがなければ、これからも、同じアパートから越して来た者同士という接し方に過ぎなかったことだろう。

 私は、鳥取にいるガンモの携帯電話にメールを入れた。ガンモからは、
「一人で対応、ありがとな」
というメールが返って来た。

 こうして私たちは、今後のことを天に任せて月曜日を迎えたのだった。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m 下の階のお家を拝見したとき、思いのほか衝撃が大きかったですね。美し過ぎて、溜め息さえ出て来ました。とてもきれいに片付けられ、掃除の行き届いたお家でした。女性が家を守るということについて、改めて考えさせられました。ベランダに鳩がいるなんて、とても考えられません。(苦笑)そんなお家を、洗濯機の排水で汚してしまったのです。それでも、このような展開になり、とてもいい人たちに巡り合えたことに感謝しています。

さて、今回も記事の中にボタンを埋め込ませていただきますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

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