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2007.08.05

カムデン・マーケットとタワーブリッジ

 またしても、ロンドン時間の午前三時過ぎに目が覚めてしまった。外は真っ暗だ。いつもならば、そこでゴソゴソと起き出して、「ガンまる日記」を書き始めるのだが、あともう少し眠っておきたいと思い、トイレを済ませたあと二時間ばかり眠った。再び目が覚めた頃には、睡眠不足も時差ボケもすっかり解消されていた。サマータイムが適用されている現在、ロンドンと日本には八時間の時差がある。私が「ガンまる日記」を書き始めるロンドンの早朝は、日本では夕方前に相当する。日本のほうが八時間早いのである。

 さて、ロンドン滞在三日目の今日は、地下鉄カムデン・タウン駅前のカムデン・マーケットに出掛けた。アンティークマーケットを期待して出掛けて行ったのだが、原宿のような雰囲気のお店が多かった。と言っても、利用客の年齢層は日本の原宿のように若者中心ではない。年配の方から若者まで、実に幅広い年齢層に支持されていた。しかも、あちらこちらで様々な国の言葉が飛び交っている。ロンドンは、ヨーロッパ各地からの観光客はもちろんのこと、世界各国から人々が移住したり、観光のために訪れたりしている。先日観た映画『ボルベール<帰郷>』で聞いたような情熱的な言葉が聞こえて来たとき、「あっ、これはスペイン語だ」とわかり、映画『ボルベール<帰郷>』をこれまでよりも身近に感じることができた。

 意外にも多いのは、インドからの移住者だ。ヒースロー空港に着いて、入国審査のために長い行列に並んでいたときも、インドから到着した人たちがたくさんいた。私は、今回の旅行にインドの神様Tシャツを持参しているのだが、インドの人たちが多い分、インドのお店も多く、私が着ているようなTシャツもあちらこちらで売られている。宿泊しているホテルにも、インドから移住したと思われる人がいらっしゃり、私の着ているTシャツに反応してくださった。インドがイギリスの植民地だった頃、インドの人たちの多くがイギリス本土にやって来たのだろうか。

 カムデン・マーケットから更に歩くと、カムデン・ロック・マーケットという大規模なマーケットがある。やはり、衣服中心だが、値段的には安いのか高いのか良くわからない。というのも、以前も書いた通り、ロンドンは非常に物価の高い街だからだ。アンティーク・マーケットとは言え、カムデン・マーケット、カムデン・ロック・マーケットともに、アンティークショップの数から言っても、日本の骨董市のような乗りで買い物ができるわけではなさそうだ。

 お腹が空いたので、私たちはカムデン・ロック・マーケット内で食べ物を扱っているお店を物色した。中国料理、インド料理、日本の寿司、タイ料理など、様々な屋台が出ている。中には、暑い中、ハッピを着てたこ焼きを売っている屋台もあった。悩んだ挙句、私たちはギリシャ料理を食べたあと、再び地下鉄カムデン・タウン駅まで歩いて戻った。

 地下鉄カムデン・タウン駅に着いてみると、駅の様子がどこかおかしかった。自動改札の入口には、"EXIT ONLY"の張り紙が掲げられていて、その周辺には、あたかも駅を閉鎖してしまうかのように鉄格子まで降ろされていた。それらは私たちに、
「ここから入らないでください」
と語りかけているかのようだった。地下鉄カムデン・タウン駅はカムデン・マーケットを訪れる人たちで賑わっていたので、出口としての機能を最大限に生かしたいのだと思い、私たちは別の入口を探すべく、駅の反対側に回ってみた。すると、やはり入口には鉄格子が降ろされていて、手書きで「この駅は、日曜日の十三時から十七時半までは入場禁止です。近くの他の駅かバスを利用して移動してください」という案内看板が掲げられていた。確かに、地下鉄カムデン・タウン駅はカムデン・タウンを利用する多くの人たちで賑わってはいたが、まさかこのような制度で駅の秩序が守られているとは驚きだった。利用客の中には、地下鉄を利用したいあまり、鉄格子を揺らして怒っている人たちもいた。

 仕方なく私たちは、隣の駅に向かって歩き始めた。しかし、途中で道に迷ってしまい、ロンドンバスに助けを求めることになった。購入している地下鉄の一日乗車券でロンドンバスを利用することができるのである。私たちは二階の一番前の席を確保し、上から見下ろす景色を楽しんだ。ロンドンバスの二階席は、一階席と違って、景色がどんどん間近に迫って来る。他の車とぶつかりそうに感じられるほど際どい感覚を何度も味わいながら、私たちはオックスフォードサーカスまで出た。

 オックスフォードサーカスから再び地下鉄に乗り、今度はタワーブリッジを見るために地下鉄ロンドンブリッジ駅を目指した。途中で何度も乗り換えを繰り返し、ようやく地下鉄ロンドンブリッジ駅に到着した。駅前にあるロンドン・ダンジョン(ロンドンで行われた処刑などを再現しているアトラクション)を見学する予定だったが、入場待ちの行列の長さに驚き、見学を見送ることにした。ガイドブックにも、一時間の入場待ちは当たり前というようなことが書かれていたが、それは極めて正確な情報だった。

 ガンモは、
「じゃあ、これからタワーブリッジを渡るから」
と言った。私は、
「ええっ?」
と驚いた。確か、十七年前にツアーでロンドンを訪れたとき、私はツアーバスを降りてタワーブリッジを眺めたに過ぎなかった。その先にあるロンドン塔も、添乗員さんの口頭による説明だけで、ちょっぴり触れた気分になっていた。しかしガンモは、恐れ多くもタワーブリッジを渡ると言う。

 きのうに引き続き、とても暑い一日だった。私たちは、ホテルを出る前に、飲み物の入ったペットボトルを持参していたのだが、あちこち歩き回っているうちに飲み干してしまい、喉はカラカラだった。ロンドンなのに、何故か日差しが強い。珍しく、三十度近くまで上がっていたのではないだろうか。タワーブリッジを歩いて渡るには、新たな水分補給が必要だった。

 私たちは、売店を見つけて飲み物を調達し、タワーブリッジへの階段を上り始めた。十七年前にタワーブリッジを遠くから眺めていただけの私は、十七年後に夫と二人でタワーブリッジを歩いて渡ることになることを知っていただろうか。知っていたからこそ、十七年後に楽しみを取っておくために、遠くから眺めたに過ぎなかったのかもしれない。タワーブリッジを歩いて渡るという経験は、スケジュールに縛られない、個人旅行ならではの醍醐味である。

 タワーブリッジを歩くことは、トラファルガー広場を歩くくらい簡単なことだった。何故、こんな簡単なことを、十七年前のツアーでは体験させてくれなかったのだろう。私が今、足を踏みしめているのは間違いなくあのタワーブリッジだ。すぐ下を流れているテムズ河にも、タワーブリッジの勇ましい影が映っている。私は確かに、十七年前に遠くから眺めていただけのタワーブリッジを歩いている。これはとても感動的なことだった。うれしくて、タワーブリッジの跳ね上がる場所もちゃんと写真に収めた。

 私たちはタワーブリッジの上を一歩一歩踏みしめながら、すぐ側にある修復中のロンドン塔を間近で眺めた。かつて、歴史的人物が閉じ込められていたロンドン塔。そうした残酷な思い出のある建物も、今では観光地となり、訪れた人たちが新たな思い出を刻んでいる。残酷な思い出も、時間が経てば緩和されてしまうということなのだろう。ガンモは、
「もうちょっと時間があったら、ロンドン塔にも入りたかったんだけど」
と言って残念がった。時計を見ると、もう夕方になっていた。ロンドンは、夜になっても外がまだ明るいので、時間が経つことも忘れてしまう。あちこち歩き回った私たちは、とても疲れていたので、再び地下鉄を乗り継いでホテルに帰った。

 ロンドンで三日間過ごしてみて思うことは、トイレの利用と自分なりの飲み物を補給するペースを摑む必要があるということだった。日本ならば、駅に行けば無料トイレがあり、自由に利用することができる。しかし、ロンドンの地下鉄の駅にはトイレがない。その代わり、マクドナルドやバーガーキングなどを始めとするファーストフード店に無料トイレの設置が義務付けられているので、トイレを利用したい人はファーストフード店に駆け込むようだ。また、飲み物に関しても、例え外が暑くても、冷たいコーヒーや紅茶などは売店に売られていない。売店で売られている冷たい飲み物は、ジュース系のものが多い上に、自動販売機もほとんどないので、自分が飲みたい飲み物を入れ物に入れて持ち歩く習慣が必要だと感じた。ホテルに帰ってからトイレに入ったとき、いつもよりも濃い尿が出た。トイレのことと言い、飲み物に関する自由度がないことと言い、ロンドンの人たちは、そうした環境に馴染むように、身体の中の水分を調節できているのかもしれない。

※撮影した写真のスライドショーを貼り付けておきます。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m 毎日、精力的に動き回り、ロンドンを満喫しています。ロンドンの地下鉄は、かつての東京の地下鉄のようにクーラーの設備がなく、暑い日に乗車するとかなり暑いです。ロンドンバスにもクーラーはありません。基本的には、クーラーなど不要なくらい涼しい国なのでしょう。それなのに、この二日間はとても暑かったのです。トイレと飲み物の問題さえ自分なりにペースが摑めれば、ロンドンは、とても快適に過ごせる楽しい町だと思います。物価が少々高いのも難点ですが、観光客が多いからでしょうか。ロンドンに不案内な人に優しい人が多いように感じます。それはそうと、何と、予定よりも四日も早く生理が始まってしましました。(^^;

さて、今回も記事の中にボタンを埋め込ませていただきますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

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