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2007.05.27

映画『恋愛睡眠のすすめ』

 ガンモは早朝から仕事に出掛けて行った。昨日も書いた通り、私は三宮店でホットヨガのレッスンを受けた。レッスンを終えてからガンモに電話を掛けてみると、別の顧客のところであと一仕事残っているという。そこで私は、映画を観ようと思ったわけである。

 前売券を購入している映画は、三宮では上映されていなかった。その映画は何と、ホットヨガの神戸店のすぐ隣にある映画館で上映されていたのである。さきほど三宮店でレッスンを終えたばかりで、昨日の記事でご紹介した布製バッグの中には、汗で重くなった着替えやお風呂道具が詰まっている。その布製バッグを持って、ホットヨガの神戸店の隣にある映画館に出掛けて行くのは何だか奇妙な気がしていた。それに、三宮から神戸までは電車でわずか二駅なのだが、ホットヨガのレッスンを終えて心地良い疲れを感じていた私には、電車に乗って移動することが少し億劫に感じられた。そこで、他に何か面白そうな映画はないだろうかと思いながら、金券ショップを何気なくのぞいてみた。できれば、三宮の映画館で上映されている面白い映画の鑑賞券に出会えることを期待しながら。

 そこには、まるで私に見つけられるのを待っていたかのような鑑賞券が並べられていた。いつも読ませていただいているブログで、「面白かった、観たばかりなのにもう一度観たい」と絶賛されていた『恋愛睡眠のすすめ』の鑑賞券が千五百円で出ていたのだ。その映画は、いわゆるミニシアター系の映画館で上映されている映画である。ミニシアター系の映画館で千五百円の鑑賞券なら、まあまあではないだろうか。私は迷わずそのチケットを購入し、映画館へと向かった。

 普段、派遣会社の福利厚生サービスを利用して映画の前売券を購入していると、どうしてもメジャーな映画にばかり傾いてしまう。つまり、自分の感性を刺激されるような映画からは遠ざかり、前売券を安く購入できる映画の中から観たい映画をピックアップしてしまうのだ。それを考えると、金券ショップは少々マイナーなミニシアター系の映画館との架け橋となってくれているのかもしれない。

 足を運んだミニシアター系の映画館は、シネ・リーヴル神戸という映画館である。これまでに何度かこの映画館で上映されている映画を観たいと思ったことはあったのだが、なかなか導かれず、今回、初めて訪れることになった。ミニシアター系の映画館の特徴は、受付で鑑賞券と引き換えに座席券を発券してもらうときに、確実な座席指定が行われるわけではなく、単に整理番号が発行されるだけだということだ。受付を終えた観客は、上映の十分前にシアターの入口に集合し、整理番号順に入場して好きな席を選ぶのである。

 大きな劇場に比べると、スクリーンは比較的小さめで、キャパも小さい。それでも、静かで落ち着いた映画ファンが集まって来る。大きな劇場に足を運ぶ人たちがにぎやかな大多数派なら、ミニシアター系の映画館を好む人たちは静かな少数派と言えるのかもしれない。

 さて、肝心の映画だが、妄想癖のある男性ステファンが、同じアパートの隣の部屋に引っ越してきた女性ステファニーに恋をするのだが、思いをなかなか伝えることができずに、夢の中でその恋が成就したことを思い描いて現実逃避するという奇想天外なストーリーである。ステファンとステファニーという名前の設定もいい。まるで名前のアダムとイブみたいだ。

 スクリーンに流れて来る映像の中で、夢と現実の区別はすぐにわかる。夢のシーンの映像は、ステファンの手作りの品々が登場するからだ。例えば、ダンボールで作ったテレビカメラ、同じくダンボールで作った車など、それらのダンボール製の品々をステファンが真剣に操作しているところがとにかくおかしい。この映画の紹介用に使わせていただいた画像だって、男女が馬にまたがっているように見えるかもしれないが、良く見るとこの馬が本物の馬ではないことがおわかりいただけるだろう。馬の首元には大きなボタンが見えているはずだ。つまり、このようなユーモアが至るところに散りばめられている映画なのだ。私はあまりにおかしくて、声を立てて笑いたかったのだが、何しろミニシアター系の映画館に足を運んでいる人たちは静かで大人しい。結局、周りの大人しい雰囲気に合わせて、あまり声を立てずにひっそりと笑うことになった。

映画『恋愛睡眠のすすめ』公式サイト

 このおかしなステファン役を演じているのは、『バベル』でメキシコ人男性のサンチャゴを演じていたガエル君という俳優さんらしい。『バベル』とはまったく違うキャラクターに意外性を感じた。

 一部のレビューで、この映画は男性版『アメリ』だなどとコメントされている方もいるが、私はオドレイ・トトゥを引き合いに出すなら、『アメリ』よりも『愛してる、愛してない』を思い浮かべた。更に、オドレイ・トトゥから離れるとなると、妄想癖という視点から『ローズ・イン・タイドランド』を思い浮かべた。もちろん、『愛してる、愛してない』や『ローズ・イン・タイドランド』のような狂気の世界はこの映画にはないのだが。

 このような映画を製作することができる監督は、本当の意味で自由な表現ができる人だと思う。不自由な思想に囚われている人にはなかなか撮れない映画だ。不自由な思想とは、「こうあるべき」というがんじがらめの思想である。そして、この映画を見る人の自由度も問われる。この映画を観て面白くなかったという人は、不自由な思想に囚われている人だと思う。

 ステファンとステファニーは、イメージの世界を共有できる稀な相性として出会ったのだと思う。だからステファンは、最初はステファニーの友人ゾーイに惹かれていたはずなのに、次第にステファニーに心が傾いて行くのではないだろうか。おそらく、二人の会話を第三者が傍から観察していたとしても、到底理解できないような二人だけの世界観があると感じた。

 日本人の私から見ると、ステファニーも確実にステファンに惹かれていると思えるのに、欧米人の友人と恋人の区別は良くわからない。唇と唇を重ねるキスは恋人同士だとしても、異性の友達と家の中で二人切りでいるのに、相手の気持ちがわからないなどということが有り得るのだろうか。つまり、唇と唇を重ね合わさなくても、プラトニックな恋人同士に見えてしまうような男女の間柄が、欧米の男女には多いように思えるのだ。

 それにしても、欧米の古びたアパート暮らしにはとても憧れる。窓を見下ろせば通りが見えるような、それほど広くない部屋が好みだ。例えば、『華麗なる恋の舞台で』や『スパイダーマン3』に登場する古びたアパートは心惹かれるものがある。私が東京で住んでいたのも、とても古びたアパートだった。私がアコースティックギターの練習をしていると、向かいのビルの歯医者さんの看護婦さんがピシャリと窓を閉めた。銭湯に通う時間を節約したかったので、台所にお風呂を作った。トイレを流すときは、上から垂れている紐を引っ張って流した。そのような古いアパートには、生活感が溢れやすいのだろうか。例えそこが異国であったとしても、そのアパートに身を寄せることができれば、その街に溶け込むことが容易だからかもしれない。

 私も、ダンボールで古びたアパートを作ろうかしら。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m ミニシアター系の映画館が近所にない方、ごめんなさい。この映画は、全国のミニシアター系の映画館で、順次公開されているようですね。見られない方は、どうかDVDでお楽しみくださいませ(苦笑)。ステファンみたいな妄想癖のある男性は、女性にとってどうでしょうね。ステファンというよりも、こういうファンタジー系の映画を手放しで喜べる人はいいですね。ステファニーの役をシャルロット・ゲンズブールが演じていたのですが、彼女は素の演技がとても上手ですね。彼女のような演技ができる女優さんこそ、実力のある女優さんなのでしょう。私は、彼女の『ジェイン・エア』が好きです。ミニシアター系の映画館は、格安の鑑賞券を入手し難いので、私は千円払ってシネ・リーヴル神戸の会員になりました。会員になると、毎週金曜日に千円で映画を観られるそうです。火曜日以外にも楽しみが増えてしまいました(笑)。

さて、今回も記事の中にボタンを埋め込ませていただきますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

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