アパートの鍵、貸します?
またしてもレディースデイがやって来た。火曜日は定時のチャイムが鳴ると、そわそわして落ち着きがなくなってしまう。そうなると、もう仕事どころではない。私は、できればレイトショーではない時間帯の映画を観たいと思っていたので、そそくさと仕事を上がり、ガンモに電話を掛けた。この時間ならば、ガンモはまだ仕事をしているはずだ。レイトショーをやっていない映画館の最終上映ならば、ガンモの仕事が終わるまでに観ることができるのではないだろうか。私はそう思い、
「映画を観て帰るから」
と息を弾ませながらガンモに言った。するとガンモは、
「映画観過ぎ! 禁止! ○○で待ち合わせするから」
とわがままを言った。まあ、先にわがままを言っているのは、間違いなく私のほうなのだが。
ガンモは、もう少しで仕事が終わるので、私と待ち合わせをして一緒に帰りたいようだった。私は、「せっかくの火曜日だが、まあいいか」と思い、三宮まで出た。そうは言うものの、ガンモの仕事は状況が変わり易いので、三宮に着いて、もう一度ガンモに電話を掛けてみることにした。するとガンモは、
「ごめん。二十時くらいまで仕事になってしまった」
と言う。ある程度、予測していたことなので、私は、
「わかった。じゃあ、映画を観て帰るから」
と言って電話を切った。しめしめ、である。
時計を観ると、上映時間まであと十分しかない。私は映画館へと急いだ。観た映画は、『フランシスの2人の息子』というブラジル映画である。ブラジルの田舎に住む子沢山のフランシスコの息子二人が、カントリーミュージシャンを目指すという、実話に基づいた物語だ。エンターテイメント系の映画ではなかったので、感情が置き去りにならず、どっぷりと映画の世界に浸ることができた。とてもいい映画だった。
映画を観終えると、時計は二十一時前を指していた。二十時まで仕事だと言っていたガンモはどうなったのだろうと思い、ガンモに電話を掛けてみると、
「俺もちょうど終わったとこ」
とガンモが言うではないか。またしてもグッドタイミングだ。それから私は、ガンモが仕事をしていた客先のある最寄駅まで移動し、ガンモと合流して帰宅した。
帰宅した私たちは、インターネットを使って盛んに調べものにふけった。どんな調べものかと言うと、夏休みに予定しているロンドン行きのプランを立てるための事前調査である。夏休みということで、ツアー料金がひどく高い。もともと、ロンドンは驚くほど物価が高い。当然のことながら、ホテルの滞在費も恐ろしく高い。そこで、何とか予算を抑えて旅行できないものかと、インターネットで情報収集していたのだ。
私たちが宿泊の条件に入れているのは、インターネットが使用できる宿泊施設だ。お互い、ブログを毎日綴っているので、ロンドン滞在中も更新を継続したいのである。旅行パンフレットやインターネットで調べてわかったことは、ロンドンまでの直行便は限られているということだった。当然、直行便を利用したほうがロンドンには早く着くが、その分、航空運賃も高い。と言っても、関西国際空港から発着する直行便は一つの航空会社しかない。成田まで足を伸ばせば、別の選択肢もあるらしい。
ガンモは始め、直行便でヒースローまで飛び、インターネットに接続できるホテルに連泊するツアーに決めようとしていた。しかし、当然のことながら、直行便とセットになったツアーはひどく高い。そこで、格安航空券とホテルを自分たちで探すという方法に切り替えつつある。格安航空券となれば、当然、乗り継ぎが発生するだろう。時間を無駄にしたくないガンモは、乗り継ぎに関してあまり乗り気ではないようだ。私が独身の頃、初めて出掛けたヨーロッパ旅行では、成田からKLMを利用し、まだ眠いうちにアムステルダムでいったん降ろされ、数時間をそこで過ごした。オランダとなれば、木靴を買いたくもなるだろう。私は、待ち時間の間にアムステルダム空港の売店で買った木靴を勤務先に持って行き、愛用していた。カーリーヘアの私が木靴を履いて仕事をしていたのだから、とにかく変わり者の新人だったのだ。同じ職場の先輩は、来客があったときに、そんな私の姿がお客さんの目に触れないように祈っていたらしい。直行便であれば、木靴を買うこともなかっただろう。乗り継ぎのための待ち時間があれば、パーマだってかけられるかもしれない。私は、そんな楽しさに期待したい。
関西国際空港発の格安航空券の乗り継ぎ便は、アジア系の航空会社が多い。ひとまず関西国際空港を飛び立ったあと、自分の国に寄り、そこから更にロンドンに向けて旅立つわけである。直行便で行くにしろ、乗り継ぎ便でいくにしろ、その時間をどのように過ごすかだと私は思うのだ。
現在、ガンモが格安航空券、私がホテルを担当して探している。ホテルは、アパートメントホテルも候補に挙げている。ロンドンにも、日本で言うところのウィークリーマンションのようなものがいくつかあり、インターネットの接続も可能になっているところが多い。連泊する場合は、ホテルよりもアパートメントホテルのほうが気楽でいいのではないかと私自身は思っている。他に、カップルで利用できるドミトリーなどにも手を伸ばし始めているところだ。
個人的には、インターネットさえ使用できるならば、映画『華麗なる恋の舞台で』に出て来たような生活感にあふれた古びたアパートでもいいのだ。ロンドンには、部屋をシェアしながら複数の人たちでアパートに住んでいる人も多いらしく、ルームメイトを募集したり、短期に限って部屋を借りたい人を探す掲示板なども見付けた。借りたい人もいれば、貸したい人もいるわけである。果たして、私たちの借りたい気持ちに応えてくれる人は誰なのだろう。
※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m さすが、「ゆりかごから墓場まで」と言われているだけあって、ロンドンはずいぶん物価が高いようですね。ロンドンで出産した女性が、「出産費用がタダだった」と言っていたのを思い出します。それだけの費用が税金でまかなわれていることを考えれば、物価が高いのも当然のことなのでしょう。ロンドンに住んでいる人からすれば、いつお金を払うかの違いだけなのかもしれませんね。去年、ハワイに出掛けたとき、ホテルのランクを落としても楽しく過ごせたので、できれば今回もワイルドに行きたいと思っています(笑)。ホテルのグレードではなく、ガンモと一緒に出掛けることが大切なのですから。
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