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2007.04.16

スルー

 プロジェクト内で昼礼の司会進行役の当番を持ち回り制にしているという話を、以前、ここに書いたと思う。司会進行役の当番の人は、まず初めに、
「何か連絡事項はありませんか?」
とプロジェクトメンバに問い掛け、連絡事項が何もなければスピーチに入る。スピーチの内容は何でも良い。どんな話でも、みんなの前で話をするということが大切なのだ。しかし、どんな内容のスピーチをしても、プロジェクトメンバの反応が今一つだ。笑って欲しいところでスルーされてしまった苦い想いを、かつて集団の持つ相対性にも綴ったことがある。

 実は、京都でのバースディライブが終わったあと、昼礼の司会進行役の当番が回って来たので、私は先日のバースディライブの感動をプロジェクトメンバに伝えるべく、十代の頃からライブに通いつめているバンドがいること、今は年に十本程度の参加だが、以前はもっとハイペースでライブを観ていたこと、出会った頃は二十代だったメンバが、先日のバースディライブで五十三歳になったことなどを話した。そして、今、十代の人たちが、これから一つのバンドを応援し始めたとしても、何十年も経って、そのバンドがまだ活動しているかどうかはわからないので、長く活動を続けているバンドの存在は大変貴重であること、私はこれからもこのアーチストを応援し続けて行きたいと思うと締めくくった。これは感極まる内容だろう。

 しかし、感極まって話をしている私だけで、他の人たちは私の話にはほとんど無反応だった。ただ黙って私の話に耳を傾けてくれたに過ぎなかったのである。スピーチが終わったとき、グループのリーダーと顔が合った。リーダーの顔を見てみると、何か言いたそうな表情が表れている。何の話があるのだろうと思っていると、案の定、リーダーは手を挙げた。もしかすると、自分にも私と同じように情熱を注ぎ込んだ対象がいるという告白だろうか? そんな期待に胸を膨らませながらリーダーの話に耳を傾けた。

 「一つ、連絡事項があるのを忘れていました。明日の朝、九時半から全体の会議がありますので、社員は全員不在になります。以上です」
何? 何? 私は開いた口が塞がらなかった。リーダー何か言いたそうな顔をしていたのは、私がスピーチをしている途中に、伝えるべき連絡事項を急に思い出したからなのだ。きっと私の話など、リーダーの頭にはなかったのだろう。

 今回のことで思ったことがある。それは、ほとんどの場合において、想いというものは、個別のものだということだ。もちろん、愛情で結ばれた間柄であれば、相手のうれしさや悲しさや喜びが自分の感情と直結して、その想いが相手のものなのか、自分のものなのか、区別がつかなくなるほど体感できることもある。しかし、それもほんの一瞬のことだ。その体感は、丁寧に、本当に丁寧に、相手の気持ちを検証したときのみ起こり得る。しかし、そうでない場合、ほとんどの出来事はスルーしてしまう。確かにそこに留まったという記し(しるし)を残さない。そのことは、普段、ガンモと一緒に笑ったり、泣いたり、怒ったりしている私にとってはとても無機質なものに思えるのだった。だからこそ、スルーしないでいてくれる人たちの存在が余計に貴重に思えるのかもしれない。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m 私の隣の席に座っている派遣仲間の女性が、大変な映画好きだと聞いて、うれしい反面、ちょっとライバル意識を感じています(笑)。まだまだ感情の共有とまでには至っていませんが、彼女は私の昼礼のスピーチのあと、少しコメントをくれました。彼女は学生時代に軽音楽部に所属していて、ギターを弾いていたのだそうです。むむむ、話が合うかも? 彼女に、私が職場の人たちと結成しているバンドの話をして、
「ここ二年くらい練習に集まってはいないけど、今度、練習するときは一緒に参加しましょう」
と言っておきました。彼女のような存在は、私のプロジェクトには大変貴重な存在です。(^^)

さて、今回も記事の中にボタンを埋め込ませていただきますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

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