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2007.04.23

体積

 最近は、ほとんどのご家庭がそうだと思うのだが、我が家においてもお風呂の給湯器は、一回分のお湯だけを湯船に溜めてくれる。一回分のお湯が溜まるとブザーが鳴り、自動的にお湯が止まるようになっているのだ。しかし、現在の家に住み始めてから今年でちょうど九年になり、お風呂の給湯器も次第に自由意思を持つようになって来た。熱いお湯を出すモードが持続しなかったり、一回分のお湯が溜まったことを知らせるブザーが鳴ったあとしばらくそのままにしていると、二回目、三回目のお湯を溜め始めるようになってしまったのである。つまり、給湯器のスイッチを切りに行かなければ、次々とお湯を溜めようとしてしまうのである。と言っても毎回ではない。気が向いたときだけ奮発する。

 二回目のブザーが鳴ったときに、「しまった!」と思いながらお風呂に駆けつけてみると、当然、湯船はお湯でいっぱいになっている。そこに広がっているのは、まるで掛け流しの温泉みたいに贅沢な光景だ。
「ああ、もったいない! ブザーが鳴ったときにすぐに駆けつければ良かった」
と私たちは言う。そして、洗濯ネットに入れて湯船に浸けているトルマリンだの、ゲルマニウムだの、ラジウム鉱石だのを次々に取り出して、できるだけ湯船の体積を少なくしたあと、たっぷりとお湯が注ぎ込まれた湯船から湯桶を使ってお湯をすくい出し、身体をきれいに洗ってから湯船に浸かる。できるだけお湯を無駄にしないように、湯船に浸かる前に、洗えるところは洗ってしまうのだ。

 私はもたもたしているので、ガンモよりも少し遅れてお風呂に入ることがある。私がお風呂の扉を開けると、ガンモは既に身体を洗い終わっていて、自分の身体が浸かる分だけのお湯を何とか使い果たし、できるだけ湯船からお湯が溢れないように、お行儀良く湯船に浸かっている。私が洗い場で身体を洗い始めると、ガンモが、
「洗い終わったら、今度はまるみが湯船に入ってみて」
と言った。二人で一緒に湯船に浸かるとお湯がこぼれてしまうので、私が湯船に浸かる代わりにガンモが湯船から出ることになった。ガンモは、私が湯船に浸かる様子をじっと観察しているようだった。
「何を見てるの?」
と私が尋ねると、ガンモは、
「ん? まるみが入ったらお湯がこぼれるのかなあと思ってたけど、こぼれなかったね。どうやら、俺よりも体積が多いわけじゃなさそうだね」
と言った。何? 何? そうか、ガンモは湯船に浸かるときに、湯船からお湯がこぼれないようにするために、髪を洗ったり身体を洗ったりして、お湯をすくい出した。それからゆっくりと湯船に浸かり、お湯がこぼれないことを確認したのだろう。そして、自分がすくい出したその湯船に私が浸かったらどうなるのか? ガンモはそれを確認したかったのだ。私のほうが体積が大きければ、湯船からお湯はこぼれる。私はガンモに試されたことで、少しふくれっ面をした。お風呂に入るのに、まるで理科の実験みたいじゃないか。しかし、このような理科の実験も、私たちの体積がほとんど変わらないからこそできることである。最初から結果が一目瞭然なのではなく、実験してみなければわからないというところにスリルがあるのだった。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m そう言えば、私がホットヨガ用に買っているラフなパンツを、ガンモが取り込んでしまい、なかなか返してくれない話を以前、ここに書いたかと思います。具体的には、緑の縞のパンツと、グレーの縞のパンツの二枚です。私たちは、身体のサイズばかりか、好きな色も似ているので、我が家には同じものが二つ必要です(苦笑)。緑の縞のパンツは特にお気に入りだったので、あれから探しているのですが、なかなか見つけることができません。これからソウルメイトに出会いたいと思っていらっしゃる皆さん、こういうこともありますので、買い物をするときは充分ご注意ください。

さて、今回も記事の中にボタンを埋め込ませていただきますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

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