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2007.04.30

幸せのかたち

 本来ならば、帰省することを前もって伝えておくべきなのに、確実に帰省できると断言できる状態ではなかったので、ガンモの実家に帰省すると連絡を入れたのは当日のことだった。それにもかかわらず、義父や義母は私たちをあたたかく迎えてくれた。

 実家に帰ると、どのように振る舞うべきか、迷ってしまうことがある。義父も義母も身体の調子があまり良くないので、頻繁に帰省すると、返って気を遣わせてしまうのではないかと思うこともあった。そのため、先月、フェリーの回数券と青春18きっぷの消化ツアーで高松までやって来たのに、ガンモの実家には立ち寄らなかったのだ。そうかと思えば反対に、帰省して私たちの元気な顔を見せて、義母の手料理を食べることが親孝行なのだと思うこともある。お互いに無理をしないことが一番なのだろうが、どちらもフランクに振る舞っているという確信がないと、判断に迷うことがある。親の立場からすると、他人が家に来ると思うと気疲れしてしまうが、子供が帰って来ると思うと、疲れていても張り切ってしまうといった心理なのだろうか。実際、今回の帰省でも、義母は身体の調子があまり良くなかったはずなのに、私たちに精一杯の手料理を食べさせてくれた。

 一夜明けて、義妹が子供たちを連れてやって来た。義弟は仕事のため、来られなかったのだ。義父や義母は孫に会うことができてとてもうれしそうだった。やはり、孫中心の会話になってしまっているのだが、普段、大人しい義父や義母が、孫に一生懸命の様子を見ていると、義妹に産んでくれてありがとうと言いたくなる。ただ、この言葉は実際にはまだ口にしていない。おそらく、義妹と二人きりになるチャンスでもなければ、言うことができないだろう。

 孫が遊びに来ているとき、義母が手作りのぬいぐるみを持って来た。それは、まるで既製品みたいに完成度の高いアンパンマンとミッフィーのあみぐるみだった。私が、誰の手作りなのかと義母に尋ねると、義母は、自分の手作りだと答えた。私は驚いた。これまで知らなかった義母の一面を垣間見た気がしたからだ。アンパンマンなどは、マントやベルトや胸のニコニコマークまでがわざわざフェルトで作られ、本物そっくりだった。手作りにしてはあまりにも既製品に近かったので驚いていると、義母は更に奥からキティちゃんのベストを持って来た。キティちゃんの顔も、本物そっくりだった。アンパンマンもミッフィーもキティちゃんも、みんな孫のために義母が見よう見真似で作ったのだそうだ。しかし、孫の反応が今一つなのでとても残念がっていた。私は、
「それなら私に作ってくださいよ」
などと言って笑いを取った。

 孫中心のコミュニケーションが繰り広げられている一方で、義妹の連れ子である二人の男の子たちの存在も気になっていた。彼らはガンモ家にやって来ると、あたかも自分たちが主役ではないとわかっているかのように気を遣い、ゲームをするために二階に上がって行く。私たちは、この二人の男の子たちが大好きだ。とにかく素直でとてもいい子たちなのだ。義父や義母が孫をかわいがるなら、私たちはこの兄弟をサポートしようとガンモと話し合ったこともある。

 二人の兄弟は、確か歳が一つ違いで、まるで友達みたいにお互いの名前を呼び合っている。ガンモも私も、実の兄弟とは歳が離れているので、
「あんな兄弟に憧れるよなあ」
というのが私たちの共通の感想である。

 ガンモの実家に帰ると、私たちはいろいろなことを思う。子供がいない私たちと、子供のいる女性と結婚した義弟。そして、二人の間にガンモ家として血の繋がりのある子供が生まれ、義父と義母にとてもかわいがられていること。みんな、幸せのかけらを少しずつ持っている。それらのかけらはまだ個別に存在していて、絡み合ってもいない。今の私たちにできることは、一歩離れたところから全体を見渡し、エネルギーがまんべんなく行き渡るように自分自身を配置することだ。

 幸せって何だろう。男女が愛し合い、結ばれる。それは、大前提としての幸せだ。しかし、男女が愛し合ったその先にある幸せのかたちは、実に様々な模様を描き出す。どんなかたちだって、関係ないんだよ。少なくとも、私たちはそう思っている。子供がいようが、いまいが、連れ子がいようが、いまいが、関係ないんだよ。どこかに偏ることはない。いつかそんなことを、腹を割って話すことができたらと思う。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m 更新が遅れて申し訳ありません。三泊四日の帰省を終えて、無事に我が家に辿り着きました。まだまだ実家で起こった出来事を消化できないでいます。記事の中で少しずつご紹介させていただきますね。みんな、完全ではないのです。でも、完全って一体何でしょう? そんなことを感じさせてくれた帰省でありました。

さて、今回も記事の中にボタンを埋め込ませていただきますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

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