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2007.03.23

春の訪れ

 今夜はもうグレなくていい。何故なら仕事を終えたあと、高速バスに乗ってガンモの出張先の鳥取まで出掛けて行くことになっていたからだ。

 私はそそくさと仕事を終え、三宮から鳥取行きの高速バスに乗り込んだ。かつては大きな道路を挟んだビルの前にあるバス停から出ていたはずの高速バスも、ミント神戸(映画館もある大きなファッションビル。私が良くレイトショーを観に行くところ)がオープンしてからは、ミント神戸一階にある共通のバスターミナルから高速バスが発着するようになっていた。

 鳥取行きの高速バスは、これまでにもしばしば利用していたのだが、私が利用していたのは休日の朝だったためか、いつも空いていた。このような利用状況で、運営が成り立って行くのだろうかと心配になっていたほどだった。しかし、金曜日の夜の高速バスは、ほぼ満席と言っていいくらいの大盛況ぶりだった。やはり、一週間の仕事を終えて、鳥取で休日を過ごす人が多いのかもしれない。

 三宮から鳥取までの高速バスの所要時間はおよそ三時間である。途中のサービスエリアでおよそ五分間のトイレ休憩が入った。いざとなればバスの中にも備え付けのトイレはあるし、何よりもひどく眠かったので、私はサービスエリアに着いてもバスの中でじっと目を閉じて休んでいた。

 高速バスは順調に走り、予定よりもおよそ十分早く鳥取駅に着いた。ガンモに電話を掛けてみると、駅まで迎えに来てくれていると言う。私は駅のコンビニの前にいるというガンモの姿を求めた。居た、居た! 懐かしいガンモが、確かにコンビニの前で私を待っていてくれた。

 三日ぶりの再会を果たした私たちは、腕を組み、ホテルまで一緒に歩いて行った。風が吹いて、私たちの頬を優しく撫でて行った。どうやら本格的に春がやって来たようである。

 ガンモが仕事を終えてホテルに帰ったとき、
「本日はお二人様ですね?」
とフロントの人に確認されたらしい。フロントでは、担当が変わっても、ちゃんと特記事項が伝わっているようである。

 フロントで鍵を受け取り、ガンモが宿泊している部屋に入った。私たちは荷物を置いてすぐに、再会を祝福して抱き合った。ホテルの部屋は小ぢんまりしているが、機能的な工夫のこらされた部屋だった。旅の多い私たちは、あちらこちらのホテルを利用しているが、ホテルによってはインテリアにこだわり、機能性がまったく無視された設備を整えているところも多い。例えば、テーブルと椅子の高さがちぐはぐだったり、電灯のスイッチがベッドから離れたところにあるなど、実際にその部屋に宿泊する人の目線での便利さが追求されていない場合が多いのだ。

 しかし、ガンモが宿泊しているホテルはそうではなかった。備品を揃える人が実際に客室に宿泊し、利用者の目線で一つ一つ揃えて行ったであろうことを容易に想像される備え方だった。だから、多少狭くても、まるで自宅のようにくつろげるスペースになっていた。

 ただ、ホテル館内やその周辺にもコインランドリーがないとかで、ガンモは自分で下着類を洗濯して部屋に干していた。ホテルにはランドリーサービスもあるらしいが、見知らぬ人に下着の洗濯をお願いできるほど、ガンモはオープンではないらしい。既に三日間を過ごしたガンモの部屋は、生活感に溢れていた。
「ガンモはここに住んでいるの?」
と私は言った。それくらい、その部屋はガンモに馴染んでいた。

 ベッドに枕が二つ並べてあったので、私はガンモに聞いてみた。
「私が来るまで、枕は一つだけだったの?」
するとガンモは、
「うん、そう」
と答えた。ということは、私がチェックアウトすれば枕はまた一つに戻るのか。

 ガンモが宿泊しているのはもともとシングルの部屋だが、ホテルに備え付けのセミダブルベッドは我が家のシングルベッドよりも広かった。自宅では一つのシングルベッドに寄り添って寝ている私たちだが、結婚して肉体的な成長を大きく遂げた私たちには、ホテルのセミダブルベッドがちょうど良い広さだった。私たちは、三日ぶりに寄り添って眠る喜びをかみしめながら、眠りに就いた。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m ようやく春がやって来たようで、風も暖かくなりましたね。皆さん、どのような週末をお過ごしでしょうか。鳥取市は県庁所在地なのですが、とても静かで大人しい街です。何もかもが郊外型なのでしょう。大きな映画館も、鳥取市からは遠く離れた場所にあります。地元の方たちの移動は、電車ではなく、自家用車が中心なのでしょうね。私の実家も、高校を卒業する頃にはみんな自動車教習所に通って自動車の免許を取るので、車は一家に一台だけでなく、個人でそれぞれ持っていたりします。そのため、軽自動車が多いのが特徴です。鳥取もそれに近い雰囲気があります。自家用車を中心とした生活を送っていらっしゃる方からすれば、現在の私のように、仕事帰りにレイトショーを観て帰るなど、別世界の出来事なのかもしれませんね。

さて、今回も記事の中にボタンを埋め込ませていただきますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

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