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2007.03.08

後味の悪さ

 今年になってから、オフィスの女子トイレに煙草の臭いが漂うようになった。毎日ではなく、週に二日程度である。おそらく、喫煙ルームで煙草を吸うことをためらっている女性が、女子トイレでこっそり一息入れているのだろう。かつては私たちのフロアにも女性の喫煙者が何人か居たのだが、禁煙に成功したり退職したりして、現在は誰もいないようである。すなわち、女性の喫煙仲間がいないために、喫煙ルームに足を運びにくいのだろう。だからと言って、女子トイレで煙草を吸われるのは、ちょっと不快に思っていた。

 このような現象は、これまでにもあまり例がなく、今年になってから急に現れ始めた。ということは、今年から働き始めた女性が女子トイレで煙草を吸っている可能性が非常に高い。まだ職場の雰囲気に慣れ切っていないために、女性の喫煙仲間のいない喫煙ルームに足を踏み入れることを躊躇してしまう気持ちも想像できる。

 実は、私には思い当たる人がいた。昨年末で退職した女性の後任の派遣仲間である。何故、そう思ったかと言うと、その派遣仲間からほんのり煙草の臭いが漂って来たのと、トイレの時間が少し長いことがあるからである。その派遣仲間は、私の席の隣なのだ。しかし、決定的な瞬間を目撃したわけではないので、本人に直接確かめることもできず、もう何日も過ぎてしまった。私の見当違いだったら申し訳ないと思ったのだ。仮にその現場に居合わせることができたなら、確認することもできたかもしれない。しかし、そういうチャンスにはなかなか恵まれなかった。

 この現象について、他の派遣仲間たちとも話をしてみたところ、彼女たちも煙草の臭いを敏感に感じ取っていることがわかった。しかし、女子トイレの中で誰が煙草を吸っているのかについては、はっきりわからないと言う。私は、あくまで推測に過ぎないが、思い当たる人がいるという話をした。すると、後日、ある派遣仲間が、私の思い当たる人がトイレから出て行った直後に煙草の臭いが漂っていたと報告してくれた。

 その報告をしてくれた派遣仲間は、私よりも更に煙草の臭いが苦手な人だった。彼女と一緒にご飯を食べに行くことになると、必ずと言っていいほど彼女自身が禁煙席をリザーブするほどだ。彼女は、これまで快適だったトイレを守りたいと思ったのだろう。部長と総務の女性、それから私たち派遣社員全員宛に、相談メールを送って来た。そのメールには、最近、女子トイレから煙草の臭いが漂っていること、トイレで煙草を吸うことは、ビルの管理上も問題があるのではないかと書かれてあった。つまり彼女は、この問題に関して誰に相談したらいいのかわからなったので、思い切ってこのような行動を取ったらしい。

 そのメールは、私たち派遣社員全員に届いたので、当然、私の思い当たる人にも届いたはずだった。もしも本当に私の思い当たる人が該当者なら、部長にまでメールが回ってしまったことに驚いたことだろう。部長も女子トイレで煙草を吸っている人がいるという事実には驚き、次回の会議で話題にすると宣言してくれた。私の空調問題のときもそうだったが、私たちが働いているビルには、そのようなことを話し合う会議があるらしいのだ。

 彼女のメールのおかげで、女子トイレで煙草を吸っている人がいるという問題点については解決できそうなのだが、どういうわけか、私は何だかすっきりしないものを抱えている。果たして、このような展開が最善の策だったのかどうか、手放しで喜べない自分がいるのだ。部長たちにメールを送信して、問題解決のためのきっかけを作ってくれた彼女にはとても感謝している。しかし、偉い人を巻き込んで鬼退治をしてしまったような、すっきりしない気持ちが残ってしまうのである。

 私の思い当たる人は、この件に関して一言もコメントしていない。もしも本当に私の思い当たる人が該当者なら、動揺を隠し切れないはずである。更に、自分が女子トイレで煙草を吸っていたことを黙り続けるのだとしたら、これからその人はどうするのだろう。今後は女子トイレでは煙草を吸えなくなるのだから、煙草を吸うためには必然的に喫煙ルームに足を運ぶことになるだろう。しかし、その人としては、自分が女子トイレで煙草を吸っていたことは、どこまでも黙っておきたいのではないか。これまで喫煙ルームで煙草を吸っていなかった人が喫煙ルームへのデビューを果たすのは、相当な覚悟が必要なのではないだろうか。しかも、このようなメールが多くの人たちに流れてしまった後では・・・・・・。

 だからと言って、仕事中に席を立ったその人の後を付けて行き、女子トイレで煙草を吸っている現場を押さえることもできなかったことだろう。それに、私だって、女子トイレに煙草の臭いが充満してしまうのは好きじゃない。吸うなら所定の場所で吸って欲しいと願うのが本音である。そうなると、やはり、メールを送った彼女の取った行動が最善の策だったのだろうかと思ってしまう。しかし、何だろう。この気持ちは。そう、喫煙している人を追い込んでしまったような後味の悪さなのだ。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m 臭いの問題はとても微妙ですよね。言うまでもなく、煙草は嗜好品です。この記事を書きながら、私は自宅でお香を焚いていることを思い出しました。健康のためにお灸もします。更には、エネルギーを高めるために、アロマオイルを使うこともしばしばあります。そうした臭いも嗜好の類だとしたら、ある人にとってはその臭いが迷惑になっているかもしれません。ただ、基本的には、煙草は臭いを嗅いで楽しむものではありませんね。臭いを出すことが目的ではなく、別の目的を達成した結果として臭いが出ています。しかも、その臭いはあまり心地のいいものではなく、煙草を吸った本人しか幸せにすることができません。そこに問題があるのかもしれませんね。しかし、煙草を吸う人の主張はどうなのでしょう。そう言えば、私には、煙草の煙も愛しいと思った瞬間がありました。自然の中で、誰かとすれ違ったときにそう感じたのですが、いつもいつもそのように感じられるわけではありません。お香やアロマオイルのように、もっと香りのいい煙草が開発されると、状況も変わって来るのでしょうか。

さて、今回も記事の中にボタンを埋め込ませていただきますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

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