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2007.03.07

ホットヨガ(三十六回目)

 毎月、第三水曜日が定時退社日だと思っていたのだが、今月は第三水曜日が祝日と重なっているからだろうか。いつもよりも繰り上がっての定時退社日だったので、私はホットヨガの予約を入れていた。場所は、私のホームである神戸店である。

 十九時半からのレッスンだったので、晩御飯を食べずに参加した。これまでの経験から、空腹のままレッスンを受けたほうがいいと思っていたからだ。レッスン後に活性酸素が増えて頭が痛くならないように、スタジオに行く前に、マツモトキヨシで「酸素プラス」を買った。

 参加したのは七十五分のアクティヴコースである。今回も、前回と同じ馴染みのインストラクターが担当してくださった。そう言えば、最近、ビギナーコースのレッスンを受けていた頃にしばしばインストラクターを担当してくださっていた女性の姿を見ない。彼女は一体どこへ行ってしまったのだろう。もしかすると、ビギナーコース専門のインストラクターだったのだろうか。

 インストラクターのすぐ近くのヨガマットしか空いていなかったので、そこに腰を下ろした。またしてもインドの神さまTシャツを着ている私に、インストラクターが話し掛けて来てくれた。
「それは、シヴァ神ですか?」
「いえ、これはドゥルガーです」
と答えた。インドの神々は、みんな同じように見えるのかもしれない。確か、シヴァ神を象徴するのは、コブラではなかっただろうか。そういう私も、インド料理屋さんでクリシュナの絵を見て、
「シヴァ神ですか?」
と尋ねたことがある。そのとき、インド人の店員さんに、
「これはクリシュナです。クリシュナは牛、シヴァはコブラで区別します」
と教えていただいたのだ。それからは、インドの神々と一緒に何が描かれているかを意識して見るようになった。

 ヨガマットは前後に十四枚並べられていた。レッスン開始後も、バスタオルを置いてリザーブされたヨガマットが一つ空いていたが、おそらくフリーパス会員の女性だろうと思い、密かに彼女の登場を待っていた。ウォーミングアップのストレッチをしていると、期待通り、髪を濡らした彼女が入って来た。登場するときに、インストラクターに向かってにっこり微笑む姿がとても美しい。一体彼女は一日に何レッスン受けているのだろう。

 私の隣には、いつもお友達と一緒に参加されて、にぎやかにおしゃべりを楽しんでいらっしゃる女性がいた。どうやら今回はお友達がお休みのようである。おしゃべりをする相手がいなくて、静かな姿が見られるのも珍しい。

 晩御飯を食べずに参加したので、少々お腹が空いていたが、レッスンが終わったら下のハーバーキッチンでねぎとろ丼を食べようと心に決めていた。ポーズを取る度に、ねぎとろ丼のことを頭に浮かべ、少しずつねぎとろ丼が近づいて来る喜びをかみしめていた。

 ビギナーコースに参加していた頃にも、夜のレッスンではあまり汗をかかないことがあったが、今回も同じような現象が発生した。現在の私はプロゲステロン期で、次の生理に向けて、身体が水分を溜め込んでいる時期でもある。そのせいだろうか。アクティヴコースだというのに、なかなか汗をかかないのである。そういうときは、水分もあまり欲しがらない。そのせいか、何となくレッスンに参加していることが空回りしているような感覚に陥ってしまった。

 更に私は、お腹をかばうあまり、取れないポーズがいくつかあることに対し、気後れしてしまった。私は私だと思っていても、周りの人たちが難なくポーズを取っているのを見ると、自分だけが劣等生のような気がしてしまったのである。神戸店の七十五分のアクティヴコースは、他の支店よりもレベルが高い。皆さん、本当に美しいポーズを取っていらっしゃる。

 と同時に、傷を嘗め合う集団と、傷を嘗め合わない集団の存在意義についても考えていた。傷を嘗め合う集団とは、例えば、私と同じように筋腫を持った人たちの集まりである。同じ症状を抱えた人たちの集まりは、確かに励みになる。しかし、状況を変えて行くきっかけには恵まれない。一方、傷を嘗め合わない集団とは、筋腫のある人と筋腫のない人が混在する集団だ。私は、どちらに属しているのが心地良いのだろうか。そう考えたとき、私は後者を選びたいと思ったのだ。先日観た映画『ドリームガールズ』も、黒人が白人の社会に進出しようとしたからこそ、頂点に立つことができたのではないか。そんなことを考えていたら、今のままでいいのだという気持ちに落ち着いて来た。そう思ったのは、アクティヴコースや脂肪燃焼コースなどと同じように、お腹をかばうコースが新たに設立されたとしたら、私はそのコースに参加するのだろうかと考えていたからである。

 七十五分のレッスンが終わった。ねぎとろ丼が一層近くなる。相変わらず、平日の夜のレッスンは、最後の休息や瞑想を行わないまま退場してしまう人が多い。私はいつものように、最後までレッスンを受けた。またしてもシャワールーム争奪戦に敗れ、シャワールームが空くのを待っていると、馴染みのスタッフの方が声を掛けてくださった。
「相変わらずいろいろな支店に足を運ばれてますか?」
私は、南森町店に行って来たことを話した。ロッカーが上下に分かれていて横幅が広かったこと、シャワールームに椅子があったことなどを話すと、馴染みのスタッフの方は、
「いいですねえ」
と言った。そのとき私は、「あっ」と思ったのだ。いくら私が外で見て来たことをお話しても、神戸店のスタッフの方たちは、ときどき梅田店に研修に出向いて行くくらいで、他の支店の様子を伺い知ることはできない。仮に他の支店の様子を伺い知ることができたとしても、面白くも何ともないのではないだろうか。静と動という性質からすれば、スタッフの方たちは同じ支店に出勤する静である。一方、あちらこちらの支店に足を運んでいる私は動である。静の人からすると、動の体験が面白いとは必ずしも言い切れないのではないか。そんなこと、「どう」だっていいのよなんて言われてしまいそうである。いや、何が言いたかったかと言うと、動である私が静の人に対して、こんなもの見て来ました、あんなもの見て来ましたと一生懸命になっていることがおかしくなってしまったのである。

 ようやくシャワールームが空いたので、私はシャワーを浴びて汗を流した。それから身支度を整えて神戸店をあとにし、同じビルの地下一階にあるハーバーキッチンで念願のねぎとろ丼を食べて帰宅した。

 家に帰ると、
「今日は何の映画を観て来たの?」
と、先に帰宅していたガンモに聞かれた。何しろ、毎日のように映画を観ているものだから、ガンモも麻痺しているらしい。私はおかしくなって、
「今日は映画じゃないよ。ホットヨガだよ」
と言った。ガンモには、朝、家を出て行くときも、ホットヨガに行く直前にも電話を掛けて念を押しているのだ。「今日はホットヨガに行くよ」と。それなのに、
「今日は何の映画を観て来たの?」
とガンモが言ったことがやけにおかしかった。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m 体重計に乗っていないので、はっきりとはわかりませんが、どうやら私は、最近、少し痩せたようです。(^^) ガンモが言うには、以前よりも顔が小さくなっているとのこと。私自身の実感としては、以前はきつかったズボンが入るようになったことでしょうか。ここしばらく、骨盤を閉めることを意識しながら生活していたので、そのせいかもしれません。

さて、今回も記事の中にボタンを埋め込ませていただきますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

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