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2007.02.28

ドメスティック・バイオレンス

 真冬に生まれた二羽の雛たちは、元気にすくすくと育っている。ガンモの話によると、近距離ならば、もう飛べるようになっているらしい。巣から出て、ベランダに置いてあるダンボールの上にちょこんと乗って、ちょっとした冒険を楽しんだりしているそうだ。また、ピジョンミルクを卒業し、餌も自分で食べているという。

 新しい母ちゃんから生まれた雛たちは、旧母ちゃんから生まれた雛たちとは性格も違っているのか、ガンモが巣を掃除するために巣の中に手を突っ込んでも、鳩パンチ(参考:[ペシッ][続・ペシッ])を加えなかったのだそうだ。新しい母ちゃんは美人なので、雛たちもお上品なのかもしれない。

 さて、気になる雛たちの柄(がら)だが、九十パーセント以上、新しい母ちゃんとほぼ同じ柄である。旧母ちゃんから生まれた雛たちも、のちに区別が付かなくなるほど旧母ちゃんにそっくりの柄に育って行ったので、鳩は母親の柄をほぼ全面的に引き継ぐのかもしれない。

 最近、ひどく気になっているのが父ちゃんの態度である。少しずつ暖かくなり、精力旺盛になって来たのか、父ちゃんが餌を求めて次第に凶暴になって来た。夜遅くに帰宅して寝室の窓を開けると、お腹を空かせた彼らが餌を求めて窓のすぐ側まで寄って来る。鳩は夜は目が見えないので、ほとんど活動はしないはずなのだが、台所や寝室の電気を付けると、ベランダも少し明るくなるのだ。以前、仕事から帰って来てからベランダを明るくして餌を与えていたこともあり、彼らは私たちが帰って来ると餌をもらえるものと思って寄って来るのである。

 ガンモが私よりも早く帰宅したある日のことだった。ガンモはベランダから彼らに餌を与えたそうだ。すると、餌にありつけることに興奮した父ちゃんに押されて、ビッグが私たちの寝室になだれ込んで来たらしい。ビッグはおどおどしながら寝室内を飛び、突っ張り棒の上にちょこんと座ったそうだ。ガンモは、緊張すると糞をする鳩の習性を知っているので、ビッグが室内を糞で汚したりしないか、とても不安だったらしい。寝室にやって来たビッグはおどおどしながら、ベッドの上も歩いたそうだ。やがてガンモは慎重にビッグを窓まで導き、ベランダに出すことに成功したという。これは、餌にハッスルした父ちゃんが、ビッグを押したために起こった出来事である。これだけならまだかわいい。

 先日の夜のことである。彼らを甘やかすのもあまり良くないと思い、私が餌を与えずに知らん顔をしていると、母ちゃんは、かつて寝室の窓から私たちが餌を与えたときの残りかすを一生懸命拾って食べ始めた。それを父ちゃんが目ざとく見つけ、餌があると思い込み、突進して来た。突進して来たまでは良かったのだが、そのあとの態度が何とも気にくわなかった。何故なら、父ちゃんが、母ちゃんを嘴(くちばし)で突付いたからだ。まるで、
「ここの餌は俺のものだ。お前は食べるな! 俺によこせ!」
と威張っているかのようだった。私は父ちゃんに、
「こらっ。母ちゃんのことを守る立場なのに、いじめるとは何事だ!」
と父ちゃんを叱った。

 少なくとも父ちゃんは、旧母ちゃんに対してはそのような態度を取っていなかったはずだ。新しい母ちゃんと一緒になってから、父ちゃんの性格がすっかり変わってしまったのかもしれない。それとも、人間と同じように、鳩も年を取って来ると頑固になるのだろうか。しかし、これは立派なドメスティック・バイオレンスだ。

 母ちゃんが、暴力を振るう父ちゃんのことをどう思っているのかはわからない。母ちゃんは、他の鳩にもいじめられているのに、父ちゃんが母ちゃんを突付いたりして何事だ。母ちゃんと結婚するとき、あんなに激しく求愛したはずなのに。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m 父ちゃんは、子孫も増えて来て、自分の縄張りで餌を守ることにやっきになっているのかもしれません。でも、暴力はいけませんよね。鳩にとっては、他者を愛するというよりも、自分を愛する延長線上に愛する相手を存在させているのかもしれません。

さて、今回も記事の中にボタンを埋め込ませていただきますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

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