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2007.01.20

ホットヨガ(二十八回目)

 二月四日まで有効のホットヨガの回数券があと五回分残っている。そのため、今月は有無を言わさずホットヨガの回数券消費月間なのである。それに加え、青春18きっぷも一回分だけ残っている。青春18きっぷは五回分がセットで売られているので、二人で旅行していると、必ず一回分余ってしまうのだ。さて、この一回分を誰が使うのか。しかも、青春18きっぷの使用期限は今日までである。

 ガンモはきのう、仕事が休みだった。いつもなら、残った青春18きっぷを、ガンモが一人で名古屋に出掛けて行って消費していた。しかし、これまでに何度も同じことを繰り返して来たので、ガンモも一人で名古屋に出掛けて行くことにはそろそろ飽きが来たようである。おまけに、ガンモは今日、仕事の待機要員だった。待機要員とは、客先でトラブルが発生した場合、すぐに出掛けて行く当番のことである。

 ということで、残った青春18きっぷを消費するのは、必然的に私の担当となった。私は以前から、ホットヨガのいろいろなスタジオに出掛けて行くことに喜びを感じていたので、名古屋のホットヨガのレッスンも受けてみたいと思っていた。そこで、名古屋栄店の予約を入れておいたのである。名古屋には、名古屋栄店の他に名古屋駅前店もあるのだが、青春18きっぷで移動する時間的なことと、希望のコースとの兼ね合いで、名古屋栄店となったわけである。

 尼崎から近江塩津行きの新快速列車に乗り換え、米原で降りた。米原から大垣行きの普通列車に乗り換え、大垣から更に豊橋行きの快速列車に乗り換えて、名古屋の次の金山で降りた。そこから地下鉄名城線に乗り換え、矢場町で降りた。いつもはガンモと一緒に旅行をしているので寂しさは感じないが、今回は一人旅なので、ちょっぴり寂しい。時刻表を片手に確認してくれるガンモが側にいないのである。

 我が家から名古屋までは、普通列車を乗り継ぐと、接続が良ければだいたい三時間くらいである。名古屋にはしばしば足を運んでいるので、私は休日に利用可能なユリカ(名古屋市営地下鉄の回数カード)を持っている。休日用のユリカを地下鉄の改札機に通し、まるで名古屋市民であるかのように振舞っていた。実は、矢場町に着いたのは、レッスン開始の十五分くらい前だった。かなり矢場、いや、やばかった。

 名古屋栄店のスタジオの作りは、京都四条通店のスタジオの作りととても良く似ていた。スタジオを挟んだ通路を通ってロッカールームへと向かう。今回、初めて名古屋栄店を訪れたため、ロッカールームの場所がわからず、スタッフの方に案内していただいた。

 名古屋栄店のロッカールームは、とても広くて好感が持てた。座って着替えたり、荷物を整理したりできるソファーも至るところに設置されている。三宮店や神戸店は、ロッカールームがとても狭くてひしめき合っている。私は、名古屋栄店に通っている人たちがうらやましいとさえ思った。

 着替えを済ませてスタジオに向かったつもりだったが、どのスタジオでレッスンを受けたらいいのかわからず、再び受付に聞きに行った。確か、案内をしていただいたときに教えていただいたはずなのに、そのスタジオのドアがホットヨガのスタジオらしからぬ和風のドアだったので、単に新しいスタジオができましたと案内されただけなのかと思い込んでいたのだった。

 スタジオに入ってみると、室内の温度が少し低いように思えた。しかし、レッスンが始まると、温度は間もなくホットヨガの適温になった。驚いたのは、パソコンの本体のような装置が何台か設置されていることだった。どうやらそれは最新式の加湿器らしい。湿度を示すパーセントがデジタル表示されていた。

 更に驚いたのは、レッスンを受ける人の数が十人にも満たなかったことだ。三宮店や神戸店のあの異常なほどのひしめき合いからすれば、実にのびのびと手を広げることができる。また、全体的にせかせかした雰囲気がない。レッスンに遅れて来る人もいなければ、途中で退場する人もいなかった。

 人数が少ないせいだろう。三宮店や神戸店では、レッスンが終わると、われ先にとシャワーを浴びに行くものだが、名古屋栄店では、レッスン終了後、急いで立ち上がってスタジオを出て行く人は誰一人としていなかった。ロッカールームが広いだけに、シャワールームもたくさんあるので、競争がないのである。

 今回のレッスンは、七十五分のベーシックコースを受けた。気持ちとしては七十五分のアクティヴコースを受けたかったのだが、土曜日はそのコースがなかったのである。

 やはり、地域が違うとインストラクターの教え方も違う。今回指導してくださった名古屋栄店のインストラクターは、教え方がとても上手だった。はっきりとした発声と、休息タイムでの催眠術のような心地良い誘導が印象的だった。最後の瞑想に入る前に、レッスン時間の七十五分が来てしまったのだが、
「時間になりましたが、お急ぎの方はいらっしゃいますか?」
と聞いてくださった。このような配慮は、他のどの支店でも体験したことのないものだった。

 競争心のないのんびりした雰囲気と、くつろげるロッカールームの雰囲気が合わさって、着替えを済ませるともう十七時を回っていたというのに、私はソファーの上でしばらくくつろぎ、なかなか出て行こうとしなかった。他の人たちも同様で、せかせかした雰囲気がなく、のんびりと身支度を整えている様子だった。しかし私は、これから再びガタンゴトンで三時間掛けて帰るのである。さすがにそろそろ出発しなければと思い、後ろ髪を引かれる思いで重い腰を上げて受付に進んだ。

 名古屋栄店がこれまでの支店と変わっているところは、エレベータを降りたあとに最初に入る入口のドアが開いていたことだった。他のすべての支店では、このドアを自分で開けることになる。しかし、名古屋栄店ではそのドアが開いていた。当然、帰るときもそのドアは開いたままなので、私がエレベータに乗っても受付の方が見送ってくださる。そして、エレベータが閉じようとするとき、受付の方たちが私に深々とおじぎをしたのである。まるで高級ホテルをチェックアウトしたかのような気持ちになってしまった。こんな丁寧な支店は見たことがない。決してそうした対応が心地良いというわけではなく、むしろ恐縮してしまうほどなのだが、広々としたロッカールームと言い、レッスンを受ける人の数が十人未満であることと言い、ひょっとすると、名古屋栄店は穴場かもしれないと思う私であった。それにしても、往復六時間掛けて名古屋までレッスンに通うのは、時間の消費に対して贅沢過ぎるのではないか。

 ビルの外に出てみると、辺りはもう暗くなっていた。これからどうしようか。せっかくだから、栄まで足を伸ばしてみようか。矢場町から繁華街の栄までは、地下鉄名城線で一駅である。私は地下鉄には乗らずに、大きな通りを歩いて栄まで出た。しかし、栄に着いても何のあてもなく、ただぶらぶらとサカエチカを歩き回っただけだった。

 私は再び地下鉄名城線に乗り、金山まで戻った。金山は、JRや名鉄、地下鉄が交差している大きな駅である。以前、名古屋に来たときに、金山駅前の「明日なる」という広場の存在を知ったのだ。そこに足を運んでみると、ステージの上でソロライブを行っている人がいた。

明日なる

AsuNal Live!!

 ソロライブも終わり、ステージ周辺が静かになってしまった。ガンモに電話を掛けてみると、結局ガンモはどこからも呼び出されずに済んだと言う。ガンモが、
「早く帰って来い」
と私に言うので、私は、再び来た道を戻り、ガンモの待つ我が家へと帰宅した。帰りは少々接続が悪く、三時間以上かかってしまった。ガンモに旅で感じた寂しさのことを伝え、
「やっぱり旅はガンモと一緒がいい」
と言うと、私たちは再会を喜びながら、固く抱き合った。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m 名古屋の地下鉄に乗ると、いつも気になるものがあります。それは、改札口周辺に設置された「六時間後は消します」と書かれた地下鉄の伝言版です。「六時間後は消します」というのは変な日本語ですよね。名古屋の地下鉄は、誰にも指摘されずに、この構文を守り続けているのでしょうか。「六時間を経過したものは消します」ならわかるのですが。(^^; でも、この伝言板を長年見守り続けているので、日本語らしい日本語になってしまったら、ちょっぴり寂しくなってしまうような気もしています。

六時間後は消します

さて、今回も記事の中にボタンを埋め込ませていただきますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

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