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2007.01.03

親孝行とは?

 親の愛情は不思議だ。私たちは、義母の身体を気遣って、
「どこかで晩御飯を食べてから帰るので、用意しなくてもいいから」
と言っておいたのだ。しかし、ガンモの実家に着いてみると、義母は、
「ご飯を食べまい」(香川弁で、「ご飯を食べなさい」)
と言って、私たちを食卓に招いてくれる。義母は、私たちが帰って来る少し前から、せっせと食事の準備を進めてくれていたのだ。外でご飯を食べて来たというのに、私たちはもう一度、義母の用意してくれたご飯を軽く食べるのである。

 義母のことをここに書くことを、ガンモがあまり好まないのでこれまで書かなかったが、義母は去年、夏に続いて秋にもう一度手術をした。術後の体調もあまり芳しくないと聞いていたので、できるだけ義母の手をわずらわせないようにするために、晩御飯の準備はいらないからと、予め言っておいたのだ。しかし、そうは言っても、義母は私たちの帰省を歓迎するために、毎回、料理を用意して待っていてくれるのだ。

 考えれば考えるほど、何が親孝行なのかわからなくなって来た。そう言えば、私の派遣仲間は、お正月にご主人さんと一緒に帰省せずに、一人で帰省することにしているのだそうだ。理由を尋ねてみると、ご主人さんと一緒に帰省すると、彼女の実家のご両親とご主人さんの両方が気を遣うことになるために、お互いに遠慮し合ってそのように決めたのだと言う。私には、彼女の言っていることがなかなか理解できなかったのだが、私たちがガンモの実家に帰省するときに、義母の手をわずらわせないように外食をするのも、派遣仲間がご主人さんと一緒に帰省しないことと似ているのかもしれないと思った。

 義母に対し、食事の支度をしなくてもいいと宣言するのは、義母に食事の支度を求めてはいないわけである。それでも食事の支度をしてくれたのは、義母の自由意思だ。そうした自由意思からの行動に対し、私たちは受身になってもいいのではないかと思う。それさえも断ってしまったら、義母の自由意思は生かされない。おぼろげながら、親孝行とは、相手の自由意思を生かすことではないかと思えて来た。

 今日は、お昼過ぎに義弟たちの家族がやって来た。お父さん二号の記事にも書いた通り、義弟は映画『ネバーランド』のジョニー・デップのような存在である。私は、義弟の嫁の連れ子たちとの再会を楽しみにしていた。義弟からもらった年賀状に、彼らの写真が印刷されているのを見て、とてもいい表情をしている彼らに早く会いたいと思っていたのだ。写真はその人の魂を映し出す。魂が映し出された写真を、私は長いこと見入ってしまう。

 私たちが二階でくつろいでいると、彼らは恐る恐る、二階に上がって来た。階下では、一昨年前に生まれた義弟の子供である姪が義父や義母にとてもかわいがられているので、彼らは気を遣って、二階でゲームをしようとやって来たのである。彼らが、孤独なときも寄り添える兄弟という形で存在してくれて、本当に良かったと思う。

 私たちは、彼らにお年玉を渡した。すると、彼らはすぐさま義弟に報告に行ったのだ。ジョニー・デップの義弟は、彼らにとことん慕われているようだ。こういう光景を目にすると、親子の関係は、決して血縁ではないと実感する。義弟は、義妹を取り巻く環境までもひっくるめて愛したのだ。ガンモは、そんな義弟のことをとても尊敬しているようだ。

 彼らが遊びに来ていた頃、私はインターネットで調べ物をしていた。義母のために、近場にあるラドン温泉を調べていたのである。彼らが帰ったあと、私は義母に調べた結果を渡した。ありがたいことに、療養泉に指定されているほどのラドン温泉が市内にあることがわかった。かつては、義母を三朝温泉に案内しようと考えていたのだが、なかなか状況が揃わないまま月日が流れてしまった。ラジウム鉱石を風呂場に持ち込んで、自宅でラドン温泉が出来上がるかとも思っていたが、ガイガーカウンターは期待していたほどの数字を示さず、がっかりだった。やはり、天然のラドン温泉でなければ意味がないと思い始めていたので、市内に泉質の良い療養泉があることがわかったのはとてもラッキーなことだった。問題は、車を運転できない義母が、車で十二分ほどかかるその場所に、どのようにして通うかだった。ラドン温泉には、継続的に通わなければ意味がない。路線バスなど、公共の交通機関があれば良いのだが・・・・・・。

 そうこうしているうちに、とうとう夕方になってしまった。私たちはガンモの実家をあとにして、次の目的地である私の実家方面へと向かった。愛媛県にある私の実家と香川県にあるガンモの実家は、四国内の予讃線の特急列車で一時間半ほどである。私たちは、特急いしずちと特急しおかぜを乗り継いで、私の生まれ故郷に降り立ち、およそ二年ぶりに私の父母との対面を果たした。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m 今日でお正月三が日もおしまいですね。もしかしたら、明日から仕事始めの方もいらっしゃることでしょう。ちなみに私は、五日からの出勤です。五日も休みにして、長い連休にしてしまいたかったのですが、一月はWindows Vista対応で多忙になる上に、他に休みたい日があるので、そちらを優先させることにしました。それにしても、クラシックカメラという趣味を通じて運命的に出会った私たちが同じ四国出身だったことは、奇跡かもしれません。去年は、義母の入院などでガンモの実家に何度も帰りましたが、スケジュールさえ調整できれば、どちらかの実家にも平等に帰ることができるのは、大変良いことです。

さて、今回も記事の中にボタンを埋め込ませていただきますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

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