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2006.12.29

会食とライブ納め

 ガンモは朝から仕事に出掛けて行った。私は今夜は、好きなアーチストのコンサートに出掛けることになっていた。ライブ納めである。コンサートの前に友人たちと一緒にご飯を食べる約束をしていたので、私は十四時過ぎに家を出た。きのうから寒いと思っていたら、外では雪がちらついていた。初雪である。

 一緒にご飯を食べた友人たちというのは、十年前に私が関西に来て初めて派遣された企業の隣の部署の部長さんの奥さんと、その奥さんのご友人である。奥さんと私は、関西方面のライブではいつもご一緒させていただいている。奥さんのご友人にお会いするのは、今回で三回目か四回目だろうか。何と、今回のコンサートには、わざわざ横須賀から遠征されてのご参加である。

 集まった三人で、お互いの馴れ初めについて語り合った。奥さんと横須賀のご友人は、私も知っている奥さんの別のご友人とコンサート会場で席が隣同士だったことがきっかけで、交流が始まったのだそうだ。人の縁とは実に不思議なものである。コンサート会場で席が隣同士になっても、まず、会話を始めなければ何も始まらない。しかも、その先で会話が盛り上がって、お互いに連絡先を交換し合わなければ、次に繋げることはできない。現在の交流は、そうしたプロセスを経て、それ以来続いているご縁なのだ。

 奥さんと私の馴れ初めに話題が移ったとき、奥さんは、ご主人さん(私の派遣先だった会社の隣の部署の部長さん)に、
「○○さん(私の苗字)ってどんな人?」
と尋ねられたそうである。すると、ご主人さんは、
「△△さん(私の好きなアーチストの苗字)を女にしたみたいな人」
とおっしゃったそうだ。これには大爆笑してしまったが、ご主人さんが私に対してそんな印象を持ってくださっていたことがとてもうれしかった。

 奥さんには、常日頃からとても良くしていただいているのだが、何と、今日お会いしたときに、私たちの結婚十周年のお祝いにと、今から五十一年前に発売された古いカメラをいただいた。奥さんのお父様がリアルタイムの時代に購入されたリコーフレックスVIISという二眼レフである。ずっと押入れの中に眠っていたらしく、レンズは既に回らなくなってしまっていたが、シャッターとセルフタイマーは生きていた。ファインダーにも汚れはあったが、磨けば何とかなるだろう。レンズが回らなくなってしまっていることに関しては、ガンモが何とかしてなおしてくれるだろう。奥さん曰く、このまま家に置いておいても、捨てるだけだからということらしい。私は、大変恐縮しながらも、ありがたくいただいた。

 横須賀のご友人は、コンサートのあと、夜行列車で帰宅されるとのことだった。夜行列車と聞いて、まず最初に思い浮かべたのが、青春18きっぷだった。
「まさか、青春18きっぷですか?」
と尋ねてみたものの、コンサートを終えて青春18きっぷで利用できる列車はないことに気づき、
「もしかして、急行銀河ですか?」
と言い直したところ、大当たりだった。先日の出張でガンモも利用した急行銀河を、横須賀のご友人はしばしば利用されているとのことだった。しかも、他の寝台列車も良く利用されているらしく、会話の中に歴代の寝台列車の名前が次々に飛び出して来る。特急北陸にも乗車されたことがあるとか。
『あさかぜ』が好きだったので、『あさかぜ』があった頃は、『あさかぜ』を利用していたんですけども」
とおっしゃった。やはり、あちこちの地方まで遠征されている方は、鉄道にも詳しい。さすがである。

 今回のコンサートには、奥さんと横須賀のご友人との共通のご友人であるもう一人のご友人も参加される予定だったのだが、どうしても仕事の都合がつかなくなり、参加できなくなってしまったのだそうだ。そのご友人のチケットを余らせないようにするため、急遽、二十歳になる奥さんの息子さんがコンサートに参加されることになった。ご飯を食べたあと、息子さんとの待ち合わせ場所に行き、初めて息子さんとご対面させていただいた。とても温和な感じの息子さんだった。

 奥さんと息子さんの会話を聞きながら、親子の会話というものは、愛情があるために、ある程度、省略されるものだと感じた。年頃の息子さんは、お母さんと一緒に行動することがとても照れ臭いご様子だった。年齢を重ねて来ると、いつまでも子供の頃のように、もっとも身近な存在である親に対しては、素直ではいられなくなってしまうのかもしれない。私も、自分の若い頃を思い出していた。

 コンサートは、ツアーファイナルということで、アーチストがとてもハイになっているのがわかった。彼らは、突き抜けて行くような演奏をしていた。きっと演奏中にエクスタシーを感じていたに違いない。

 今回のツアー中に、メンバーの一人がまったく声を出せない状態に陥り、他のメンバーがフォローしたというハプニングがあったらしい。そのことを、メンバーの一人がMCで話したのだが、
「そんなハプニングがあってからも、彼からフォローしたお礼を言ってもらってないけど、俺らは一つだからいいんだ。逆に、お礼なんか言って欲しくない!」
と言った。私は、「俺らは一つだから」という表現にいたく感動した。活動期間の長い彼らは、第三者からそのように表現されることも多いかもしれない。しかし、第三者がそう表現するよりも、こうしたハプニングを例にしてメンバーの誰かが自発的に表現したほうが、ずっと現実味がある。

 先日、別の友人からメールが届き、彼らのコンサートを既に五百本観たと書かれてあった。彼女は、一度のツアーで、旅行も兼ねていくつもの地方を回り、何百本もコンサートを観ているのである。彼らのコンサートには、人を夢中にさせる何かがある。そうでなければ、同じアーチストのコンサートを五百回も観ないだろう。私もその何かを探しに彼らのコンサートに通う。一体、彼らの何に取りつかれているのかわからない。しかし、そこにある何かを感じるためにコンサートに足を運び続けているのは確かだ。

 三時間半余りの熱演のあと、彼らのツアーファイナルは幕を閉じた。今年一年、お疲れ様。また来年、お会いしましょう。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m 仕事納めに続いて、ライブ納めも終わりました。会場が一つになると、会場内のエネルギーが高まっているのがわかります。会場が波打つのです。「一つ」の定義はなかなか難しいですね。同じことをしているから一つになっているのでしょうか。接点を共有しているから一つになっているのでしょうか。または、彼らの言うように、サポートし合っているから一つになっているのでしょうか。少なくとも、一つの方向に向かっているから一つであることは間違いないようです。

さて、今回も記事の中にボタンを埋め込ませていただきますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

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