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2006.12.01

ライフスタイル

 北京の記事はもうおしまいと宣言しつつも、まだどことなくくすぶっている。ガンモとも、
「また中国に行きたいね」
と話してばかりいる。中国という国は、振り返れば振り返るほど、たった一回の訪問では済まされないとことを実感してしまう場所である。ガイドブックを開けば、今回訪れることができなかった場所がおいでおいでと呼んでいる。映画のページを開けば、胡同(フートン)のひまわりという映画が公開されていたことを知る。ああ、この映画も観たい。しかし、映画ばかり観ていたら、時間がいくらあっても足りないではないか。

 北京へのそんなくすぶった想いを抱えながら、今回は観光がらみではなく、気づきの観点から書き残しておきたいと思う。

 北京旅行を個人旅行ではなくツアーで体験した私たちは、同じツアーに参加していたもう一組のご家族と自分たちを対比させることになった。もう一組のご家族は、六十代くらいのご夫婦と三十代くらいの娘さんの合わせて三人のご家族だった。

 ツアーの中で、夫婦で写真を撮ると幸せになれるという場所があったのだが、現地係員の男性が、まず私たち夫婦を撮影してくださったあと、もう一組のご家族のご夫婦に声を掛けていた。そのとき、ご夫婦の娘さんも一緒に写真に写ろうとしたのだが、現地係員の男性が、
「ここはご夫婦で写真を撮る場所ですので、ご夫婦だけになってください」
と言った。すると、ご家族のお母様が娘さんに対し、
「そんなんだからその年になってもまだお嫁に行けないのよ」
というようなことを冗談っぽく言ったのだ。私は、微笑みながらそのやりとりを見ていたのだが、彼女くらいの年齢になってもお嫁に行かないでいることが、必ずしも気後れするようなことではないと感じていた。

 というのも、ガンモも私もそうだが、十代の頃から既に家を出て、寮生活または一人暮らしを始めている。そして、そのまま実家には戻らずに、都会に残って就職したあと、三十代前半に結婚している。すなわち、私たちは、十代の頃から親と離れてしまっているわけである。そんな私たちから見れば、三十代になっても両親と一緒に生活しているということは、親孝行だと言うことができる。単に、三十代の女性が両親と一緒に生活していることをどのような立場から見るかだけの違いだと思うのだ。

 また、私たちは、初日の胡同(フートン)以外のオプショナルツアーには参加しなかったのだが、もう一組のご家族は、現地係員の男性が勧めるオプショナルツアーに積極的に参加していた。二日目の夜も雑技団のオプショナルツアーに参加されたほか、終日フリータイムの日でさえ、天津(てんしん)まで出掛けるオプショナルツアーに参加されている。

 おそらくだが、もう一組のご家族は、旅を受動的に楽しむことに専念されたのだと思う。一方、私たちは、日頃から旅を能動的に楽しむことに慣れていたたため、オプショナルツアーにもあまり参加せず、自分たちの時間を持とうとした。どちらが良いとか悪いとかではない。自分たちのライフスタイルに合っているかどうかだと思うのだ。

 もう一組のご家族と私たちでは、お金の使い方もまったく異なっていた。もう一組のご家族は、先日書いたような策略めいたお土産品売り場でたくさんの買い物をされていた。私たちは、どこか策略めいた雰囲気があまり好きではなかったのと、他のお土産品売り場を見ていないために相場がわからなかったので、そうした場所ではほどんど買い物をしなかった。

 もう一組のご家族は、故宮を観光したあとに訪れた書道や水墨画を売っているお店で、著名な書道家の方が書かれた掛け軸を購入された。価格は三万円である。普段、海外旅行をすると、娘さんがしばしばブランドのバッグを購入されているのだそうだ。それを考えると安いものだと言いながら、その掛け軸を購入されたのである。もともとその掛け軸は五万円と言われていたものだったが、私たちとは別の日本人ツアー客が先に五万円で購入されたため、同じ日本人観光客ということで、二本目からは三万円にしてもらえたらしい。もう一組のご夫婦は、
「価値が出るといいわね」
と言いながら、三万円で購入できたことをとても喜んでいた。その売り上げ金は、著名な書道家の方の手元に届くのではなく、故宮の修復費用として寄付されるのだそうだ。故宮の修復費用を寄付するために、著名な書道家の方がボランティアで字を書かれていたのである。

有名な書道家の先生による書道の実演

 私たちとはまったく違うお金の使い方をされていることに驚きを覚えながら、故宮をあとにしたのだが、このご家族のような方たちが存在してくださっているからこそ、故宮の修復が可能になってもいるのである。私たちとはお金の使い方がまったく異なっていたとしても、それぞれが担っている役割があるのだ。今回、北京を訪問してみて、様々な異なる価値観に触れた結果、一つの事象を取り巻く関連性を無視して、部分的なところだけを切り取って判断し、誰かの生き方に意見したりするべきではないと考えるようになった。大切なのは、その人たちのライフスタイルに合っているかどうかなのだ。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m ソウルメイトの学びを実践している人たちは特に、相手と同じであることへの安心感にいつも包まれているために、自分と異なる価値観を持った人たちと上手に付き合うことが難しいと感じています。しかし、自分と異なる価値観を持った人たちによってもたらされる摩擦を通して初めて、自分自身もまた、異なるものを否定して来たことを知ることになります。そのようなプロセスを経てようやく、異なるものを排除するのではなく、受け入れて行くこと方向へと向かって行くことができるようになります。自分自身が否定されて初めて、守るべきものに気づいて行くのですね。

さて、今回も記事の中にボタンを埋め込ませていただきますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

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