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2006.11.24

終日フリータイム(前編)

 滞在三日目は、北京に来て初めての終日フリータイムとなった。ようやく自分たちのペースで回ることができる。心行くまで写真を撮ることができる。私たちは、そんな期待に胸を膨らませながら、フリータイムをどのように過ごすかについて、計画を立てていた。

 予め、ガンモの中には地下鉄に乗って北京動物園に行くという計画があったようだが、前日の夜、私はガンモに言ったのだ。
「せっかく北京に来たんだから、自転車に乗って、北京の街をスイスイ走ってみたいよね」
北京に馴染むには、北京を外から見るのではなく、内から見てみたいと思ったのである。ガンモも私の意見に賛成してくれたので、私がレンタサイクルのサービスを行っているお店をインターネットで探すことになった。調べているうちにわかったのだが、一部のホテルでレンタサイクルのサービスを行っているようである。私は、もしやと思い、自分たちの泊まっているホテルの名前で検索してみた。すると、ホテルのオフィシャルページではないのだが、様々なホテルのサービスをまとめたページに私たちの宿泊しているホテルにレンタサイクルのサービスがあると記載されていたのである。私はガンモに、
「このホテルにもレンタサイクルのサービスがあるみたいだよ」
と言った。するとガンモは、室内に設置されているホテルのガイドで確認し始めた。しかし、そこにはレンタサイクルのサービスがあるとは書かれていなかった。

北京の自転車に憧れて

 出掛ける準備を整えて、フロントの女性にレンタサイクルのサービスがあるかどうかを尋ねてみた。すると、レンタサイクルのサービスはもう行っていないとのことだった。私が、
「どこかこの近くにレンタサイクルを扱っているお店はありますか?」
と尋ねると、
「少々お待ちください」
と言われ、男性スタッフに事情を説明してくださった。すると、男性スタッフがどこかに電話を掛け始めた。男性スタッフは、何やら長い時間、誰かと話をしている。もしかすると、忘れられてしまったのだろうかと思い、ガンモと二人で不安を感じながらも、ロビーでしばらく待っていた。しかし、待てど暮らせど男性スタッフの電話は終わらない。男性スタッフが話しているのは中国語なので、何をしゃべっているのか私たちにはわからなかったのである。

 自分たちが忘れられているのかどうかわからなかった私は、ガンモに、
「あそこで電話を掛けている男性の会話が終わって、私たちに対して何もアプローチがなかったらもう出発しようか」
と言った。

 根気強く待っていると、ようやく男性スタッフの電話が終わった。しかし、その男性スタッフは、今度はロビーに居た別の男性と話を始めた。やはり、私たちのことは忘れられてしまったのだろうか。ガンモに、
「確かに『少々お待ちください』って言ってくれたよね」
と確認したところ、ガンモにも同じように聞こえていたようだ。

 しばらくすると、背後から美しい日本語が聞こえて来た。振り返ると、マネージャーらしき男性が私たちに向かって話し掛けてくれていた。
「お客様、自転車をお探しとのことですが、この近くにあります○○というホテルでレンタサイクルのサービスを行っていることがわかりまして、そのホテルに現在、自転車の空きがあるかどうか、問い合わせをしているところです。もう少ししましたら、○○ホテルから自転車の在庫に関して連絡が入ることになっていますので、もう少しお待ちいただけますでしょうか」
恐れ入った。すっかり忘れ去られてしまっているのではないかと疑った自分たちが恥ずかしくなった。長い時間、男性スタッフが電話で話をしていたのは、近隣のホテルにわざわざ電話を掛けて、レンタサイクルのサービスがあるかどうかを確認してくださっていたのである。

 大変恐縮しながらしばらく待っていると、候補に上がっていた○○ホテルでは、空き自転車がないと連絡が入ったようである。それだけでなく、ここから地下鉄に乗って出掛けた場所に、レンタサイクルの業者があるということを調べてくださったようで、そのお店の住所と電話番号を調べてくださった。しかも、
「場所がわかりにくいかと思いますので、これから自転車をこちらのホテルまで持って来てくれるそうですが、いかがいたしましょうか?」
と言ってくださったのである。そこまでしていただいては、さすがに申し訳ない。私たちが、
「いえ、自分の足で向かいます」
と言うと、マネージャーらしき男性が地図を広げて場所を説明してくださった。何と素晴らしい対応なのだろう。私たちの道楽のためにここまで丁寧に調べてくださって、大変恐縮していた。ただ、その方が言うには、
「日本と違って右側通行ですので、右折はしやすいのですが、左折のときはかなり危険な状態になりまして、自動車との接触事故も多くなっています。どうかくれぐれもお気をつけください」
とアドバイスをくださった。

 私たちは、ホテルの方たちの完璧な対応に狂喜しながら、ホテルを出た。これまでいろいろなホテルに宿泊して来た私たちだが、ここまで丁寧なサービスを受けたのは初めてのことだった。

 最初の計画では、ホテルのレンタサイクルを借りて北京の街をスイスイ走るつもりだったが、時間が少し遅くなってしまったので、自転車に乗るのは後回しにして、自転車に乗ることを決める前からの計画だった北京動物園まで地下鉄で向かうことにした。できれば、夕方のラッシュアワーに合わせて北京の街を走ってみたいと思ったからである。北京動物園に行こうと思ったのは、パンダがいるからだ。

 ホテル近くから地下鉄に乗るために地下鉄の駅へと向かった。北京では、地下鉄のことを地鉄と言う。地鉄と言うと、私は富山県にある私鉄、富山地鉄のことを思い浮かべてしまう。地鉄の切符は、日本のように自動券売機で買うのではなく、人のいる窓口で行き先を言って買うのである。私たちは中国語を話せないので、ガンモが行き先と切符の枚数を紙に書き、筆談しながら切符を買ってくれた。地鉄の切符はくじのようなぺらぺらした切符だった。改札も有人改札である。

 ホテルの最寄駅から動物園の最寄駅である西直門までの所要時間はおよそ二十分ほどだった。通勤時間はとっくに過ぎているはずなのに、地鉄はひどく混んでいた。乗り換えのために駅の構内を歩く人たちの数が半端じゃないのである。動物園方面に向かう地鉄は環状線になっていて、私たちのホテルの最寄駅からちょうど半分のところだった。

北京の地鉄

 驚いたのは、地鉄の中に、売り子らしい女性が乗っていたことである。乗客に向かって、何か大きな声でしきりに勧誘している。売られているものはどうやらガイドブックらしい。地鉄の中でガイドブックを売るという行為が、地鉄に認可されているのかどうかもわからない。静かな地鉄の中に響き渡る勧誘の声に、私にはとにかく驚いた。

 目的地の西直門で降りると、駅の周辺の路上で手袋やマフラー、雑誌などを売っている人たちがいた。私たちは、北京動物園までおよそ一キロの距離を、昼食を取ったりショッピングを楽しみながら歩いた。

西直門周辺で手袋などを売っている人たち

(長くなるので、この続きはまた明日)

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m これを書いている今、無事に帰宅致しました。とても濃い四日間でした。それにしても、今回は本当にハードなスケジュールでした。そのために更新が遅くなってしまいました。何度もアクセスしてくださった皆さん、本当にごめんなさい。実は、まだまだお土産話がたくさんあります。もうしばらく、北京の出来事にお付き合いくだされば幸いです。私自身、自分の撮影した写真を貼り付けながら、旅行記を書くのがとても好きです。ショートショートも好きなのですが。(笑)そうそう、ショートショートを楽しんでくださっているという内容のメールをくださったRちゃん、どうもありがとう。そういう一言に、とっても励まされています。皆さんに楽しんでもらえることが自分の喜びに繋がり、それが記事に還元されると、良い循環が出来上がります。そして、記事を一人で書いているのではないという連帯感が生まれるのです。いろいろな形で応援してくださっている皆さん、本当にありがとうございます。m(__)m

さて、今回も記事の中にボタンを埋め込ませていただきますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

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