鍵の救急隊
パイプが詰まったときなどに、二十四時間体制で対処してくれるサービスがある。今日の記事は、そんなサービスがあることを思い出しながら読んでくだされば幸いである。
私が普段、使用しているポシェットと言うべきか、ショルダーバックと言うべきか、とにかく肩から斜めにぶら下げて使う小さなバッグは、手作りグッズを販売しているお店で購入したものである。カントリー風の仕上がりで、価格も千円前後と安い。私はそのバッグの中に、定期券や携帯電話、財布、自宅の鍵など、すぐに取り出せると便利な小物類を入れて持ち歩いている。
以前、そのバッグの外ポケットのファスナーが豪快に壊れた。ファスナーの取っ手が、ストッパーの位置を超えてすり抜けてしまったのである。私はガンモに助けを求めた。ガンモは、壊れたものを直すのが得意である。自転車のパンクも自分で直すし、自転車のブレーキも、ブレーキ用のケーブルを買って来ては自分で張り直す。ガンモは、私のバッグのファスナーとしばらく格闘しながら、外れてしまった取っ手をファスナーに取り付けてくれた。ファスナーのストッパーが弱くなっていたことが原因だったので、私はストッパーを強化するために、飾り付きの安全ピンを縦に付けてストッパー代わりにした。それを見たガンモは、
「なかなかいいアイディアだ」
と言ってくれた。
さて、仕事が終わって、ガンモに電話を掛けてみると、ガンモはまだ仕事が忙しい様子だった。私も少し残業をしたので、帰りはそれなりに遅かった。週末にまた出掛ける予定があるので、私は旅行の準備を整えようと、ガンモの仕事が終わるのを待たずに帰宅することにした。
家に着いたのは、二十三時を回った頃だった。マンションの自転車置き場に自転車を収納するために、バッグの中から自転車の鍵を取り出した直後のことだった。バッグのファスナーを閉めようと取っ手を引っ張ると、取っ手が勢い良く滑ったのである。見ると、飾り付きの安全ピンのストッパーを通り越して、ファスナーの取っ手が取れてしまっている。「またやってしまった!」と私は思った。マンションに入るための鍵も、自宅の鍵も、取っ手が取れてしまったファスナーの中に入っている。取っ手がなければ、ファスナーは開かない。ファスナーが開かなければ、鍵を取り出すことができず、家にも入れない。私はそう思い、必死になって、取れてしまったファスナーの取っ手をファスナーに取り付けようとした。しかし、何度やってもうまく行かない。このままでは家の中はおろか、マンションの中にさえ入れない。困った。思い切ってファスナーを壊せば、鍵は取り出せる。しかし、例え安物のバッグであっても、まだ使えるバッグを壊したくはなかった。
ガンモはまだ仕事をしているのだろうか。そう思い、私はガンモに電話を掛けてみた。すると、ガンモは、自宅の最寄駅を降りて、自転車に乗ってこちらに向かっている最中だと言う。「助かった!」と私は思った。私は、自転車に乗っている最中の会話は危ないからと、ガンモに事情を手短に説明したあと、ガンモの帰宅を静かに待った。
電話を切ってから五分ほど経つと、自転車に乗って悠々とガンモが帰って来た。ああ、助かった。ガンモは、私の顔を見るなり、こう言った。
「鍵の救急隊、到着」
ガンモの持っていた鍵で私はマンションの中に入り、無事に家の中にも入ることもできた。ガンモは、私の壊れたファスナーをもう一度修理してくれた。
「鍵の救急隊というよりは、ファスナーの救急隊かなあ」
ファスナーを直してくれたガンモがつぶやいた。
「糸で縫いつけたほうがいいと思うけどね」
とガンモは私に言った。確かにそうだ。しかし、今夜はもう遅い。そう思って、私はストッパー代わりの飾り付きの安全ピンを前回よりももっと手前に付けた。これでしばらくは大丈夫だろう。
※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m ファスナーの取っ手が壊れて、とっても困りました。(←いちおう、シャレです)ガンモがグッドタイミングで帰って来てくれたから良かったものの、なかなか帰って来てくれなかったら、私はファスナーを壊していたのでしょうか。それはわかりません。ガンモがタイミング良く帰って来てくれたおかげで、このバッグはもう少し使えることになりました。時間を作って、ストッパーを糸で縫い付けたいと思います。
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