使い捨ての時代
先日から、新しい洗濯機の話題が続いている。
お昼ごはんを食べ終わると、
「ようし、これから新しい洗濯機を設置しよう」
とガンモが私に提案して来た。ガンモは、古い洗濯機が置かれていた場所を掃除機と雑巾を使って丁寧に掃除し始めた。長い間、洗濯機を置きっぱなしにしていたので、そこにはひどく埃が溜まっていた。私は、ガンモが掃除している間に、新しい洗濯機の梱包を解き、新しい洗濯機を室内に運び込めるように、玄関の荷物をいったん別の場所に移動させた。それから私は、新しい洗濯機が梱包されていた大きなダンボール類を折り畳み、マンション指定のダンボール置き場に捨てに行った。
部屋に戻ってみると、ガンモの掃除も終わっていたので、私たちは二人で力を合わせて新しい洗濯機を「せーの」で抱え込み、えっさえっさと室内に運んだ。新しい洗濯機は、以前よりも少し縦幅が大きくなったために、配置に少々手間取ってしまったものの、何とか所定の位置に収まった。私は、新しい洗濯機に水準器が付いているのを珍しそうに眺めていた。この水準器のおかげで、洗濯機が床に対して傾いていないかどうかがわかるのである。ガンモが言うには、水準器は古い洗濯機にも付いていたと言う。十年も使っていたのに、そのことに気が付かなかったとはお恥ずかしい限りだ。
ガンモは更に、水道の蛇口とホースと洗濯機をしっかりと接続した。それから、お風呂の残り湯を使えるように、残り湯を吸い上げるホースも繋いた。そして、最後に排水溝をれいに洗い、排水用のホースを固定させた。これで設定完了である。
まるで儀式のように、
「では、スイッチを入れます」
とガンモが言った。ガンモが電源スィッチを押すと、洗濯機本体のランプが点灯した。ガンモは新しい洗濯機に向かって、
「はじめまして。洗濯担当のガンモと申します。末永くよろしくお願いします」
と言った。
ガンモは、マニュアルを読みながら、新しい洗濯機の機能を確認し、
「今夜は初夜だから」
と言った。今夜、お風呂に入ったあとに、残り湯を使って新しい洗濯機を使う予定なのである。洗濯担当のガンモは、すっかり新しいお嫁さんをもらった気分でいるようだ。果たして、新しいお嫁さんの今後の働きぶりはどうなのだろう。
そう言えば、新しい洗濯機を室内に運び込むとき、ガンモが
「軽いなあ」
と言った。ガンモ曰く、古い洗濯機はもっと重かったらしい。なるほど、新しいお嫁さんは軽いのか、と私は思った。カメラもそうだが、新しい製品が出る度に、どんどん軽くなっている。今のプラスチック製のカメラと違って、以前のカメラは金属製なので、とても重かった。もちろん、金属で創られていた時代に比べれば、本体は軽くなっても、技術の進歩により、機能は確実に増えている。しかし、それなのに、人々は一台のカメラを長く使おうとはしない。私も去年まで、数年間ずっと同じデジタルカメラを愛用し続けていたが、何年経っても同じデジタルカメラを首からぶら下げているので、カメラ仲間たちに珍しがられていた。今の時代は、低価格で次々に新しい機種が発売になる上に、入って来る情報量も多いので、すぐに新製品を買いたくなってしまうようだ。パソコンも、わずか二、三年で古くなってしまう。これでは、ものを大事にできない。
ところで、価格の比較をすると、新しい洗濯機よりも、十年前に購入した古い洗濯機のほうが、価格が高かったように思う。パソコンも含め、家電製品のほとんどは、十年前よりも安くなっている。それだけ物が大量に出回り、少しでも動かなくなったら使い捨てされてしまう時代になったとも言える。それが災いしたのか、ゴミ問題を抱えている。また、価格が安くなった分、明らかに省略されてしまった機能もあるようだ。例えば、新しい洗濯機には、残り湯を使うホースを差し込むところに付いていたはずのフィルタがなくなっているそうだ。古い洗濯機にはそのフィルタが付いていて、お風呂の残り湯をよりきれいな状態で使えるようになっていたらしい。
景気の低迷と技術の進歩と大量生産とゴミ問題。これらは密接な繋がりを持っている。経済を発展させるためには、できるだけ多くのものを生産し、流通させることが必要だった。しかし、それはやがて使い捨ての時代を呼び起こし、人々はものを大切にすることができなくなり、同時にゴミ問題も持ち上った。多くの商品が流通するわけではないが、人々がものを大事にしていた時代と、今の使い捨ての時代。一体、どちらが住み易い国と言えるのだろうか。
※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m 少子化問題に加担している私が言うのも何ですが、これらの問題に少子化が加わっているのは、社会の規模をいったん小さくし、基盤を整え直してから拡大に向かえるチャンスなのかもしれませんね。(^^)
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