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2006.10.27

最終列車

 二、三日前に、携帯電話に知らない電話番号からの着信履歴が残っていた。仕事中、トイレに立ったときに掛かって来たようである。市外局番から察するに、先日、携帯電話を修理に出したDoCoMoショップからのようである。ようやく修理が終わったのだろうか。そう思って、再び連絡が入るのを待っていたが、なかなか掛かって来なかったので、仕事帰りに寄ってみることにした。

 銀行の窓口のように、入口で番号札を取り、自分の引いた番号が呼ばれるまでしばらく待った。その間に、お客様控えに印刷されているDoCoMoショップの電話番号と、先日の着信履歴の電話番号を照らし合わせてみた。確かにこの番号に間違いない。着信履歴に残っていたのは、DoCoMoショップの電話番号だった。やがて私の番号が呼ばれ、先日出した携帯電話の修理が終わっているかどうか問い合わせてみると、やはり、上がって来ていた。窓口の女性が言うには、部品が交換されたそうである。

 代わりにお借りしていた携帯電話を返却し、電話帳のデータを移行してもらうと、修理代金を請求される様子もなく、
「それでは、どうもありがとうございました」
と締めくくられてしまった。
「料金はかからないのですか?」
と尋ねてみると、
「保障の範囲内ですので、今回は料金はかかりません」
と言われた。何とありがたいサービスなのだろう。確かに、こちら側としては、登録していたデータをすべて消失してしまった上に修理代金まで請求されるのでは、腑に落ちない点もある。DoCoMoショップの方も、そのあたりの事情を良く心得ていらっしゃるようだ。こうしてちゃんと修理されて戻って来るなら、新しい携帯電話に買い替えなくて良かったと私は思った。

 DoCoMoショップを出て、手元に戻って来た携帯電話をまじまじと眺めていると、おかしなことに気がついた。携帯電話の液晶部分と閉じたときの表面に、新品の商品にありがちな保護シールが貼られているのである。もしかするとこれは、先日まで私が使っていた携帯電話ではなく、新品の携帯電話なのだろうか? 新品という観点でボタンや周辺の外部接続インターフェース部分を確認してみると、二年間も使い込まれた携帯電話とはとても思い難いほど新しいことがわかった。DoCoMoショップの方は、部品が交換されて返って来たとおっしゃったが、どうやら新品の本体とごっそり入れ替わっているようである。私は、デッドストックを手に入れたときのような不思議な気持ちになっていた。ということは、やはり、私が使っていた携帯電話は、メーカーの修理担当の方の手によって、ゴミ箱行きになってしまったのかもしれない。それを思うと、せっかく修理に出したのに、何だか複雑な気がした。結局のところ、私が機種変更をしなくても、私の使っていた携帯電話は修理されなかったことになる。

 それでも、二年間も使い込んだ携帯電話が新品になって返って来るというのも、決して悪い気はしなかった。メーカーでは、修理のためにすべての携帯電話の機種の新品をある程度の台数分、保管しておくのだろうか。メーカーが製造しているのは、何も携帯電話ばかりではないはずだろう。メーカーが製造しているすべての電気製品が、ある程度の台数、保管されているのだとしたら、メーカーにはとてつもなく大きな倉庫が必要になる。そんなことをあれこれ想像してみたが、使っていた機種の携帯電話が無事に私の手元に返って来たのだから、携帯電話の話はこのくらいにしておこう。

 さて、今日は、仕事を終えたあと、大阪発午前一時八分の寝台特急はやぶさ・富士に乗り、ガンモと二人で大分に向かうことになっていた。ガンモは職場の飲み会、私は仕事を終えたあとに「ガンまる日記」を書き上げて、三宮まで出た。三宮に着いたのは二十二時を回った頃だったろうか。ガンモに電話を掛けてみると、ちょうど飲み会を終えて三ノ宮駅にいると言う。特に申し合わせたわけでもないのに、二人がほとんど同時に三ノ宮駅に着いたのは実に興味深い現象だった。

 私たちは、いったん帰宅したあと、二人でお風呂に入り、出発の準備を整えて、午前〇時前に家を出た。最寄駅から大阪方面の電車に乗り込むと、ぷーんとお酒の匂いが漂って来た。金曜日なので、仕事帰りにブレークした人たちが乗っているのだろう。

 大阪駅に着くと、寝台特急の発車まで、まだ三十分以上も時間があった。寝台特急の到着を待っている間に、大阪駅のホームには、次から次へと各方面からの大阪駅止まりの最終列車が入って来る。最終列車が入って来る度に、ホームには、アナウンスが流れている。
「本日の○○線は、すべての運転を終了致しました。お客様は、改札口へお回りください」
しかし、人の出入の激しい大阪駅では、酔っ払いも多い。終電を知らせるアナウンスが流れても、ホームに留まっている利用客もいるようだ。私たちが寝台特急を待っているホームでも、酔っ払いが紛れ込んで来て、よろよろとよろめきながら歩いていた。

 どうやら、私たちが乗ろうとしている寝台特急は、大阪駅にとっての最終列車のようである。大阪駅で働いている人たちにとっては、この列車を見送ることで、一日の仕事が終わるのだ。列車到着のアナウンスが入り、私たちの乗る寝台特急が勇ましく入線して来た。この続きは、また後日。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m これを書いている今、私たちは寝台特急はやぶさ・富士に揺られて大分にやって参りました。九州の皆さん、こんにちは。十月も終わりだと言うのに、九州はとても暖かいですね。まだ半袖でも過ごせそうなくらいの陽気です。久しぶりの九州を堪能したいと思っています。

さて、今回も記事の中にボタンを埋め込ませていただきますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

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