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2006.09.03

桃花台線と並んで食べたひつまぶし

 名古屋はもう何度も訪れている。今回、青春18きっぷの旅のターゲットを名古屋にしたのは、今月末で廃線になってしまう桃花台(とうかだい)線を乗り潰しておこうという目的だった。

 桃花台線は、片道およそ十五分程度の有人の新交通システムである。自動化された新交通システムで有人運転というのも珍しい。通常、列車というものは、前方と後方に運転席がある。列車が終点に行き着いて折り返すとき、運転士が反対側の運転席まで歩いて移動する。しかし、桃花台線には、運転席が前方にしかないので、列車が折り返すときは、運転士ではなく、列車自身が迂回し、乗車専用のホームに停車しなおして新たな乗客を迎える。おそらく、こうした作業を無人で行うことができないために、新交通システムでも有人化されているのだろうと思う。

 今月末で廃線になるということで、ホームにはカメラを構えた鉄道ファンの姿が見受けられた。桃花台センター駅の近くにある歩道橋の上にもまるで引退を惜しむかのように、たくさんの人たちがカメラを構えていた。

 私はかつて、岐阜市内を走る名鉄の路面電車が廃線になるときのことを思い出した。あのときも、その月いっぱいで廃線になるという時期に岐阜を訪れたのだが、引退まであと二週間しかなかったため、別れを惜しむたくさんの鉄道ファンで賑わっていた。鉄道会社としては、いつもこれだけ多くの人たちに利用してもらえば、廃線にならなくても済むのにと、複雑な気持ちだろうと思う。岐阜を走っていた路面電車は、現在、豊橋で活躍しているらしい。私たちも、引退した名鉄の路面電車のあとを追って、豊橋まで出掛けたのだが、路面電車の車庫で、岐阜で見た路面電車の姿を見つけたときは、ひどく感動したものだった。

 廃線になったり、車両を入れ替えたりするとき、別の地域の鉄道に、車両が引き取られるということは良くあるらしい。以前、静岡県の岳南鉄道に乗車したとき、妙に懐かしい車両だと思っていたら、京王井の頭線のお下がり車両だった。私は昔、東京の下北沢に住んでいたので、井の頭線の車両とは馴染みがあったのである。

 この先、桃花台線の車両がどのような行く末をたどるのかはわからない。沿線に住んでいる人たちにとっては、例え廃線になったとしても、乗り慣れた車両がどこかで人を乗せて走っていてくれたら、また会えるのに、という気持ちになるのではないだろうか。

 桃花台線に別れを告げたあと、私たちはむしょうにひつまぶしが食べたくなり、あつた蓬莱軒へと向かった。あつた蓬莱軒は、名古屋出身の方にお勧めいただいたお店で、名古屋市内に全部で三店舗ある。初めて足を運んだのは、神宮南門店だった。驚くほど人気の高いお店で、一時間待ちは当たり前である。それでも、うなぎ料理なので、回転は速い。料亭のような雰囲気のお店で極上のひつまぶしをいただき、そのおいしさに酔いしれた。その後、別の機会に、本店にも足を運んだ。本店は、神宮南門店よりも古い建物で、やはり、料亭のような造りのお店だった。本店と神宮南門店は、比較的近いところにある。どちらも、私の大好きな熱田神宮の近くにあるお店である。

 あつた蓬莱軒は、栄にある松坂屋デパートにも店舗を構えている。こちらは、デパートの中のレストラン街の一角なので、料亭風とは行かない。それでも、いつ足を運んでもものすごい人たちが列を作って待っている。私たちも以前、松坂屋店でひつまぶしを食べたことがある。しかし、料亭風の飯台で食べる雰囲気を知ってしまうと、何となくひつまぶしを食べているという気がしなかった。そう思って、本来ならば、神宮南門店か本店に足を運びたかったのだが、どちらのお店もお昼のラストオーダーが十四時半前後だった。乗り潰しを終えて時計を見ると、十四時前だった。これから電車を乗り継いで移動するとなると、ラストオーダーには間に合わない。そこで、松坂屋デパートの中にあるあつた蓬莱軒に決めたのだった。

 松坂屋デパートに入り、レストラン街でエレベータを降りると、十四時半頃だと言うのに、百人ほどの行列ができていた。この時間でこれだけの行列なら、お昼どきはもっと混むのだろうか。根気強く待って、おいしいひつまぶしを食べるか、それとも、別のお店に入って空腹を満たすか。ここに来ると、いつもそんな選択に迫られる。ガンモは、
「こんなに待てない。もう、腹減った」
と言った。私も、ガンモの気持ちは良くわかったが、とりあえず、トイレに行ってから考えようということになり、二人でそれぞれトイレに入った。

 女子トイレはとても混んでいたので、ガンモをかなり待たせることになってしまった。しかし、トイレを出てみると、ガンモはあつた蓬莱軒の長い列の最後尾にちゃっかり並んで待っていたのである。待つことが嫌いな上に、「もう、腹減った」と言っていたガンモだが、やはり、ぷりぷりのひつまぶしの誘惑には勝てなかったようである。ひつまぶしを諦めかけていた私は、とてもうれしくなった。

 結局私たちは、一時間程並んで、ようやくひつまぶしにありつくことができた。お店に入って注文してからも、なかなか出て来なかったひつまぶしだが、並んで待っただけあって、喜びもひとしおだった。温かいご飯にまぶされた、ぷりぷりのうなぎを、「一杯目はそのままで、二杯目は薬味で、三杯目はお茶漬けで」というお作法に従って、じっくりと味わいながらいただいた。

 ひつまぶしを食べたあと、私たちはほんの少し、名古屋の街を散策してから帰路についた。帰りももちろん、青春18きっぷである。青春18きっぷは、若者のグループの利用者も多いが、お年寄りのグループの利用者も多い。旅も楽しいが、仲間たちとのおしゃべりも楽しい。そんな切符である。

※いつも応援クリックしてくださっている皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m 青春18きっぷは五枚綴りの切符なので、二人で使用すると、一枚足りなくなるか、一枚余ります。そこで私たちは、チケットショップに出向き、奇数枚数分の残りの青春18きっぷを購入しました。青春18きっぷの使用期限が迫ると、使いかけの青春18きっぷをチケットショップに買い取ってもらう人がいるのです。チケットショップは、買い取った使いかけの切符を、一枚二千三百円よりも少し高めに売っています。今回は、帰りの切符が一枚だけ足りなかったので、一枚分の残り券を求めようとしたのですが、チケットショップには、三枚券しか売られていなかったのです。私たちは悩みましたが、結局、その三枚券を買うことにしました。そのうちの一枚を名古屋からの帰りに使いました。ということは、あと二枚、余っているわけなんです。私はこれを使ってホットヨガの別のスタジオに行きたいのですが、ガンモが何やら日帰りの旅の計画を立てたがっているようです。

※そうそう、記事の内容とは関係ないのですが、はづきさんは男性だったのですね。私はてっきり女性だとばかり思っていました。(^^;

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