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2006.08.11

良く働き、良く遊べ

 ハワイ旅行の予約を入れたあと、好きなアーチストの夏の野外イベントの日程が発表された。幸か不幸か、その日程は、ハワイ旅行直後の土日と重なっていた。場所は、関東地方である。夏休みが続いている以上、決して参加できない日程ではない。しかし、帰国直後の時差ボケのことを考えると、少し身体を休ませておきたい気持ちもあった。

 それでも、毎年のように、楽しみに参加し続けている夏の野外イベントだ。この日のために、全国から、熱烈なファンがわんさと集まって来る。しかも、今年の野外イベントは、年数としての区切りがいい。例年よりも熱のこもったステージが見られるに違いない。

 おまけに、夏休みの日程が例年よりも一日長くなっているのが不思議だった。毎年、夏休みは九日間のはずだったが、どういうわけか、今年に限って十日間あるのだ。つまり、十四日の月曜日まで夏休みなのである。毎年、土日連続で行われる野外イベントに参加すると、私は翌日の月曜日の午前中だけ休みを取って、早朝から新幹線で移動し、午後から出勤していた。しかし、今年は月曜日まで休みなので、早朝に起きて慌しく動き回る必要がなくなる。これは、野外イベントに導かれているのだろうか?

 私は、ガンモと相談し、野外イベントに参加するかどうかを話し合った。ガンモはしばらく考えていたが、何か計画を思いついたらしく、
「よし、行こう」
と言ってくれた。私はとてもうれしかった。このようなはちゃめちゃなアドベンチャーに付き合ってくれるガンモに心から感謝した。

 ハワイに出掛ける少し前のことだった。ガンモが突然、妙なことを言い始めた。
「ハワイから帰って来たら、翌日から出掛けるから、野外イベントに出掛ける用意もしておくように」
「ええっ? どういうこと?」
私は驚いた。当初の予定では、ハワイから帰って来て、丸一日休んで翌々日から出掛ける予定だった。一日休んで出掛けるだけでも体力的にきついのではないかと心配になっていたくらいなのに、時差ボケもかまわず、翌日から旅に出掛けてしまうなんて、一体どういうことだと思ったのだ。
「翌日の昼間に大阪から特急雷鳥に乗って金沢まで行って、その日の夜に寝台特急北陸に乗って上野に向かう」
私は驚きのあまり、しばらく声が出なかったが、気を取り直してすぐに抗議した。身体のことも考えず、はちゃめちゃに動き回ろうとするガンモに腹が立ったのだ。しかし、ガンモはどうしても、寝台特急北陸に乗りたいようだった。
「東京に行くのに、いつも同じルートじゃつまらない」
とガンモは言う。わかった、わかった。わかりましたよ。夏の野外イベントに付き合ってくれるなら、私もガンモの提案する行程に付き合おう。私は、腹をくくってハワイに出掛けたのだった。

 さて、ハワイから帰った翌日の今日、私たちは朝十時過ぎに家を出て、大阪から特急雷鳥に乗った。十四時過ぎに金沢に入り、コインロッカーに荷物を預けると、街を散策し始めた。特急雷鳥の中で少し眠ったせいか、時差ボケを感じることもなく、身体は元気だ。どうしてこんなに元気なのだろう。おそらく、好きなことに向かっているから元気なのだ。好きだという気持ちには、細胞を活性化させるエネルギーが宿っている。

 金沢へは、何度目の訪問になるのだろう。私は、独身時代にも訪れたことがある。独身時代に来たときは確か社員旅行だったのだが、たまたま私の好きなアーチストも金沢でライブを行っていて、彼らが宿泊しているホテルまで出向き、少しだけ顔を合わせた思い出がある。そのために、私は社員旅行にわざわざスーツを持って行ったような・・・・・・。ああ、懐かしい。

 結婚してからは、ガンモと二人で二回ほど訪れているはずだ。社員旅行で出掛けた忍者寺にガンモを案内し、きときと寿司を食べて感動したのを覚えている。

 今回は、メインの目的が寝台特急北陸に乗車することだったので、金沢での目的も特になく、単にぶらぶらしただけだった。ふらっと金沢というループバスに乗り、市内をぐるぐる回った。

 寝台特急北陸に乗る前に、私たちは金沢駅から近い銭湯に入った。とても暑い一日だったので、汗を流すことができてさっぱりした。

 寝台特急北陸は、二十二時過ぎに金沢を出発した。私たちは、B寝台の上下段を床にした。いつものように、外の景色を見たいガンモは下の段、高所恐怖症を克服する必要のある私は上の段で眠った。A寝台と違って、B寝台はかなり狭いので、普段、一つのシングルベッドに寝ている私たちでも一緒には寝られない。だから、B寝台に乗るときは、それぞれの時間を過ごすことになる。すぐ近くに他の乗客もいるので、話をしていると、かなり響くのだ。

 私が上の段にいると、下の段にいるガンモが上の段のカーテンをそろりと開けて、私の様子を伺いに来る。私は、その瞬間のガンモの表情がとても好きだ。

 やがて、寝台特急北陸は、ガタンゴトンと揺れながら、上野に向かって走り始めた。普段、めいいっぱい仕事をして、休みのときにはとことん遊ぶ。これが、私たちのスタイルだ。

※いつも応援クリックしてくださっている皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m 今は、上野駅構内のお店でこれを書いています。皆さん、どうか、呆れないでくださいませ。(苦笑)良く学び、良く遊べという言葉がありますが、社会人にとっては、良く働き、良く遊べかもしれませんね。

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