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2006.08.18

ハワイの出来事・工具編

 国内旅行にノートパソコンを持って行くのと同じように、私たちは、ハワイにもノートパソコンを持って行った。ハワイ滞在中も、私は「ガンまる日記」を書き続けたかったし、ガンモも自分のブログを毎日更新しているので、書き続けたいようだった。「何も海外に行くのに、わざわざノートパソコンを持って行かなくても・・・・・・」と思われる方もいらっしゃるかもしれないが、コンピュータ業界で仕事をしている私たちにとって、ノートパソコンを持ち歩くことは、ごく当たり前のことなのである。そのため、宿泊するホテルも、客室内でインターネットの使えるホテルにこだわった。

 あれは確か、滞在二日目の夜のことだったと思う。ホテルに帰り、ノートパソコンを立ち上げるために、ACアダプタを本体に差し込もうとすると、なかなかささらない。私は驚いた。ACアダプタの差込口に何かくっついているのかと思い、恐る恐る、ACアダプタの差込口を確認してみると、あろうことか、丸いはずの差込口が、楕円形を通り越して、ぺしゃんこに変形してしまっていた。

 私は、何が起こっているのかすぐに理解した。私たちは、毎日、ホテルの部屋を出て行くときに、部屋を掃除してもらうために、スーツケースの中に荷物を片付けて出て行く。そのときに慌ててしまったのか、パソコンのACアダプタの差込口を、スーツケースに挟み込んでしまったようなのである。そのため、ACアダプタの差込口が変形してしまったのだ。ACアダプタの差込口は、ぺしゃんこにつぶれてしまっているため、ノートパソコン本体にはささらなくなってしまっていたのである。

 これは絶望的だ、と私は思った。私が持ち歩いているノートパソコンの電池は、大きめの電池を装着しているので、七時間余り持つ。日本国内で鉄道乗り潰しの旅が始まったとき、ガンモが私のために、長時間利用できる電池パックを買ってくれたのだった。それでも、これから先のハワイ滞在中、ずっと持ちこたえてくれるとは思えなかった。一方、ガンモは、国内旅行のときは私と同じノートパソコンを持ち歩いているのだが、今回は海外旅行なので、荷物を少なくするために、いつもよりも小さめのノートパソコンを持って来ていた。そのため、ガンモと私はACアダプタを共用できなかった。せめて、「ガンまる日記」を書くときだけでも、ガンモのノートパソコンを拝借しようか。私はぼんやりとそんなことを考え始めていた。

 私はとりあえず、思いつくことをやってみた。ホテルの部屋に設置されている机の下にACアダプタの差込口を注意深く敷いて、机の上から思い切り重力をかけてみた。つぶれてしまったのと反対の方向に重力がかかれば、形が元に戻るのではないかと思ったのだ。しかし、それはうまく行かなかった。どこかで工具を買って来て、つぶれてしまったACアダプタの差込口を元に戻すしかない。そんなことを考えながら、私は独身時代に旅行したヨーロッパでの出来事を思い出していた。

 私は独身時代、イギリス、フランス、スペイン、ドイツ、イタリアの五ヶ国を短期間で回ったことがある。最初に訪れたイギリスで、日本円でおよそ千九百八十円くらいの安いカバンを買った。そのカバンに荷物を詰め替え、旅行中にセカンドバックとして愛用していたのだが、いかんせん、安いカバンだったので、使っているうちに重みのために金具が曲がり、金具に繋がっている紐が取れかけてしまった。それを修理するために、私はスペインのマドリッドでホームセンターのようなところに入り、トンカチを買った。そのトンカチで曲がった金具を叩いてやれば、金具は一時的に元に戻り、しばらくカバンを使い続けることができた。私は旅行中、ずっとそのトンカチを手放さなかった。

 今回も、ぺしゃんこになったACアダプタの差込口をトンカチかペンチで矯正してやれば、復活できるのではないかと思っていた。ハワイのホームセンターに行って、工具を買おう。私は翌日、ガンモと連れ立って、KAHALA MALLを訪れた。

 LONGS DRUGSというスーパーのような薬局のようなホームセンターのようなお店があり、私はそこでペンチを買った。ホテルに帰り、そのペンチをガンモに託すと、ガンモは慎重にACアダプタの差込口を矯正し始めた。もともと機械いじりが大好きなガンモは、工具を使うことも得意である。これまでにも、ガンモのおかげでこうした危機を何度も乗り越えて来た。ただ、矯正に失敗すると、ACアダプタが完全につぶれてしまう可能性もあった。しかし私は、ガンモを信頼し、ガンモにすべてを任せた。

 「はい、これで差してみて」
矯正が終わったACアダプタを、ガンモが私に渡してくれた。見ると、差込口が元通り、まんまるの形に戻っている。私はすぐにACアダプタの差込口をノートパソコンの本体に差し込んでみた。すると、ノートパソコンは、電気が通ったときの反応を示したのだ。
「ガンモ、ありがとう!」
私はうれしくてうれしくて、ガンモに抱きつき、チュッチュした。ガンモのおかげで、私のノートパソコンは、息を吹き返したのだった。ハワイ滞在中でも、「ガンまる日記」を書き続けることができたのは、ガンモのおかげだったのである。

 「ところで、そのペンチ、日本に持って帰るの? 空港で何か言われるんじゃないの?」
とガンモが言った。私は、ヨーロッパ旅行のとき、マドリッドで買ったトンカチを日本に持ち帰った。あの頃は、テロ事件もなく、手荷物チェックも厳しくなかったが、今のご時世、ペンチを持ち帰るのも一苦労かもしれない。
「えー、実は、ノートパソコンのACアダプタの差込口がつぶれてしまったので、ペンチを買って直した次第です」
これを、ホノルル国際空港で尋ねられたら、英語でちゃんと説明できるのだろうか? そんな心配もよぎったが、スーツケースの中に入れておいたペンチは、無事に日本に持ち帰ることができたのだった。

 そんなわけで、私は、海外旅行に出掛ける度に工具を買う人になってしまった。しかも、工具を使うのが得意なガンモがついてくれていて、とても心強い。

※いつも応援クリックしてくださっている皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m 海外では、思い出に残るようないろいろなハプニングが起こります。マドリッドで買ったトンカチも、旅行中はかなり情けない気持ちになっていましたが、今となっては良き思い出です。荷物については、帰りはそれほど厳しくなかったのですが、行きの関西国際空港では、ガンモがスーツケースの中身まで細かくチェックされました。手荷物のチェックが厳しいのは理解できるのですが、機内に預けるスーツケースの中身まで調べられたのは驚きでした。このように、アメリカへの入国は、大変厳しいようです。工具を持ち込むのがアメリカ国内でなく、日本で良かったと思いました。

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