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2006.08.19

ハワイの出来事・タイムシェア・コンドミニアム編

 現地ツアーを申し込んだとき、ヒルトン・グランド・バケーション・クラブによるタイムシェア・コンドミニアムの説明会への参加をご案内をいただいた。ヒルトンの子会社であるヒルトン・グランド・バケーション・クラブが、世界的なリゾート地であるハワイにいくつかのコンドミニアムを建設し、それらを期間分譲するというものである。ヒルトンの子会社であるヒルトン・グランド・バケーション・クラブは、一年間を五十二週に分割し、そのうちの一週間だけ、豪華なコンドミニアムを所有できる権利を販売しているのだった。もちろん、一週間というのは標準的な目安であり、金銭的に余裕がある人は、一週間よりももっと長い期間、所有できることになる。

 説明会に参加できる条件としては、九十分の説明に耳を傾けることと、夫婦揃って説明会に参加できることと、世帯収入がヒルトンの定めた年収に達していることだった。説明会当日は、宿泊先のホテルまで送迎バスが迎えに来てくれる上に、説明会に参加するだけで、100$の報酬を受け取ることができると言う。私たちは、ハワイでの予定がパンパンではなかったので、おもしろ半分にその説明会に申し込み、その場で100$の報酬を受け取った。

 さて、説明会の当日、送迎バスが私たちを迎えに来てくれた。ヒルトンというだけあって、日本人の運転手さんだった。送迎バスは、別のホテルでもう一組のご夫婦を拾ったあと、説明会の行われるヒルトン・グランド・バケーション・クラブへと向かった。

 中に入ってみて、その豪華さに驚いた。受付で名前を告げると、待合いロビーに案内され、
「飲み物やパンなど、どうぞご自由にお召し上がりください」
と言われた。お言葉に甘えて紅茶やパンをいただいていると、隣のテーブルのご家族のところにヒルトンの担当者がやって来た。既にお得意様なのか、
「今日はご家族にプレゼントをお持ちしました」
などと言って、ヒルトンのご年輩の担当者が親しげに何か贈り物をしていた。ああ、こういう世界なのか、と私は思った。

 紅茶をいただきながらしばらく待っていると、かわいらしい感じの日本人女性が現れた。ヒルトン・グランド・バケーション・クラブの社員で、Kさんと名乗る女性だった。本格的な説明に入る前に、Kさんは、私たち夫婦のことを知るために、いくつかの質問を投げかけて来た。Kさんはまず、私たちがそれぞれデジタル式の一眼レフカメラを持っていることに注目してくださった。Kさんのご主人さんはアメリカ人だそうだが、カメラが大変お好きなのだと言う。しかし、Kさんご自身は、自分のカメラを持ちたいと思うほど写真が好きではないので、カメラは一家に一台でいいとおっしゃった。

 旅行が好きかどうか尋ねられ、大好きだと答えた。夫婦で鉄道乗り潰しの旅をしているため、国内では、ほぼ一ヶ月に一回のペースで旅行に出掛けていることを話した。そして、今年は結婚十周年なので、夫が四月に仕事がらみで出掛けて来たハワイに、二人で訪れることにしたことも話した。Kさんご夫婦もお子さんがいらっしゃらないそうである。Kさんは、ご主人さんと一回り以上の年齢差があるそうだ。そのため、リタイアしたあと(定年後)のことを真剣に考えていらっしゃるようで、早いうちからこうしたタイムシェア・コンドミニアムには注目されていたという。既にアメリカでは、リタイアしたときのことを考えて、タイムシェア・コンドミニアムを購入しておくことは、ごく自然な流れになっているらしい。

 私たちの趣味や仕事や旅行のペースなどについて聞かれたあと、具体的な説明に入った。待ち合いロビーから場所を移して、室内に展示されたパネルを見ながら、ハワイだけでなく、全世界のヒルトンホテルやヒルトンの提携ホテルを利用できることなどが説明された。ハワイに縛られることなく、五十二週分の一週間をどのように使うかは購入者の自由で、例えば、ラスベガスに行きたいと思ったら、ラスベガスのヒルトンを利用してもいいということだった。

 全世界のヒルトンホテルとヒルトンの提携ホテルを利用できると言っても、場所やホテルのグレードによって価格が異なって来るので、タイムシェア・コンドミニアムのシステムは、ポイントで管理されていると言う。そのため、同じポイントを使用するなら、宿泊料の高いホテルには一週間よりも短期間の滞在となり、比較的宿泊料の安いホテルには一週間よりも長期間滞在可能になると言う。つまり、管理されているのは滞在期間ではなく、あくまでポイントであるということである。

 更に場所を移動し、実際に販売対象となっているコンドミニアムを見学した。部屋の中に入ってみてびっくり! 豪華な家具付きの、広くて素晴らしい部屋だった。(スペックのいいパソコンと通信環境でアクセスされている方は、こちらをご参照ください。バーチャルツアーを体験できます)窓の外からは、ワイキキビーチを見渡すことができる。私たちは、リッチなその雰囲気に、深いため息を漏らした。

 寝室が二部屋あるタイプと、寝室が一部屋だけのタイプを見せてもらったあとは、三十代の日系の男性が現れ、契約に関する突っ込んだ話が始まった。購入するに当たって、かなり具体的な金額も提示された。最も安いタイプのもので四百万円ちょっとの金額だった。毎年八万円程度の管理費は必要になるにしても、その金額で、生涯、一週間分のコンドミニアムを所有できるわけである。私たちは、
「ううん・・・・・・」
とうなった。まったく手の届かない金額でないところが微妙だった。Kさんが最初に聞かせてくださった統計によれば、説明会に参加された三割の方が購入されていると言う。購入された方の写真やメッセージが、きれいにクリアファイルにまとめられていて、既に数百ページにも上っていた。それを見ていると、
「衝動買いしてしまいました」
などと書いているオーナーの声もあった。中には、初めてハワイに来たばかりだと言うのに、話を聞いて、オーナーになったという人も居た。もちろん、不動産扱いなので、固定資産税もかかるし、不要になれば譲渡もできるそうである。

 Kさんは、今回の私たちのハワイ滞在にどのくらいのお金がかかっているかを聞き出し、計算を始めた。半分は飛行機代で、半分はホテル代だとすると、毎回、これだけの金額を支払って、今回宿泊したクラスのホテルに宿泊するのと、ゴージャスなヒルトンのコンドミニアムに宿泊するのとどちらがいいかと私たちに尋ねるのだった。私たちは、うんうんうなるしかなかった。

 正直言って、これから先、ハワイに毎年足を運びたいという気持ちはあるが、本当に実現できるかどうかはまだわからなかった。国内旅行に関しては、ほぼ月に一回のペースが出来上がっているとしても、海外旅行に関してはまだまだこれからという段階であり、しっかりとしたペースが出来上がっていないので、購入したとしても、利用できるかどうか不安だと私たちは答えた。それに、渡航先も、ヒルトンがあるところしか選ばないようになるとすると、自由度がなくなるのではないかと付け足した。

 すると、三十代の日系の男性が、
「そういうお客様のために、毎年利用のコースではなく、隔年利用のコースがあるんです。隔年ですと、二年に一回の利用権になりますので、権利のないあいだに、他のホテルに浮気をしていただけます」
と口を開いた。これまで紹介されていたのは、毎年一週間、ヒルトンのコンドミニアムやホテルを利用できる権利の話だった。しかし、毎年海外旅行ができるかどうか自信がないという人のために、最初に提示された金額からおよそ半額の価格で、隔年コースというのがあるらしい。それを提示されて、私たちはもう、逃げ場がなくなってしまった。正面から断る理由がなくなってしまったのである。

 しかし、ガンモも私も、心は一つになっているのがわかった。私たちは、こうした勧誘に非常に強いところがある。ヒルトンの方も、決して無理にお勧めするものではないと、最初からおっしゃってくださっていたので、私たちはうんうんうなりながらも、丁重にお断りしたのだった。

 帰り際に、Kさんが、もし本日中に気が変わったらご連絡くださいと、名刺を渡してくださった。しかし、私たちは電話を掛けなかった。ヒルトンを出たあと、ガンモは、
「いやあ、参った。隔年のコースが出て来るとは思わなかった」
と冷や汗をかいていた。ご丁寧に、私たちは、帰りのタクシーチケットまでいただいて、ヒルトンをあとにした。

 Kさんと話を始めた最初のうちは、楽しい会話が成り立っていたのに、契約の話になると、私たちはだんだんトーンダウンし、口数が少なくなってしまった。お断りをした今でも、少しだけ、この話を思い返すことがある。Kさんは、
「コンドミニアムがあるワイキキの周辺は、日本で言うと、銀座の一等地ですので、決して値段は下がりません。持っていて損はないと思いますよ」
とおっしゃっていた。隔年のプランを提案してくださった日系の男性も、
「このプランは、一週間以内に必ずなくなってしまうでしょう」
とおっしゃった。彼らが私たちに不快な印象を与えたわけでは決してない。しかし、私たちは、彼らの提案をのまなかった。その理由は、果たして何だったのだろう。既に私たちは、自分たちのためにたくさんのお金を使い過ぎているという気持ちもあった。しかし、何よりも、これから先の旅を計画する楽しみを取っておきたかったのだと思う。どこのホテルに泊まるか、どんなところへ行くか。ヒルトンと契約することで、そういう旅の計画の楽しみが半減してしまうような気がしてしまったのである。

※いつも応援クリックしてくださっている皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m ヒルトンは、このキャンペーンを大々的に行っているようなので、既にご存知の方もいらっしゃるかもしれませんね。確かにハワイは、リピーターの方が多いので、どうせ何度も来るならと、契約される方も多いのかもしれません。ご興味のある方は、直接ヒルトンへどうぞ。(^^) 「ヒルトン タイムシェア」というキーワードで検索されると、いろいろな情報がヒットするかと思います。

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