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2006.06.16

結婚十周年

 六月十六日は、私たちの十回目の結婚記念日だ。普段と同じように仕事に出掛け、普段と同じようにガンモと一緒に帰宅した。ガンモと二人でご飯を食べながらお祝いしたかったのだが、ガンモの仕事が忙しいと言うので、私一人でご飯を食べた。そろそろ帰宅しようと思っているところへ、ようやく仕事を上がれるとガンモから連絡が入ったので、途中の駅で待ち合わせて一緒に帰った。結婚十周年でも、いつもと変わりない時間が流れていた。

 ガンモと私は、パソコン通信の電子会議室で出会い、最初から妙に気が合っていた。台風の日に行われたオフ会で初めて顔を合わせた私たちだが、ずっと昔から知っているような親しさがあった。オフ会のあとも、電子メールでやりとりをするわけでもなく、ただひたすら電子会議室で話を続けていた。お互いに、いつまでも話をしていたいような、そんな存在だった。その頃から私たちは、知らず知らずのうちに引き合っていたのだ。

 私たちは、パソコン通信の仲間たちに見守られながら、何となく、何となくお互いの距離を縮めて行った。中には、私たちがまだ付き合う前から、もう付き合っていると思っていた人たちも居たようだった。しかし、電子会議室でやりとりをしながらも、どこか素直になり切れない状態が続いていた。それが、神戸で開催されたオフ会をきっかけに、ドッカーンと爆発したのだ。三連休を利用して参加したガンモの主催する神戸オフ。私は、わざわざ東京からそのオフ会に参加した。三連休の間、毎日のようにガンモと会ったが、三日目だけは会わずに東京に帰った。そのあとの、心にぽっかりと穴が開いたような寂しい気持ちを今でも忘れない。私たちは、二人で一緒に居ることの心地良さを知ってしまったのだ。初めて自分の気持ちに素直になったとき、涙が吹き出した。私たちは、お互いに泣きながらメールを書いていたのだ。

 私たちが結婚すると電子会議室に報告したとき、パソコン通信の仲間たちが、ブライダルオフを企画してくれた。そのとき、私たちがこだわっていたハーフサイズのカメラ、キヤノンデミを描いたケーキをわざわざ注文してくれたのだ。私たちは、ブライダルオフにパジャマ姿で登場し、パソコン通信の仲間たちの前でデミケーキをカットした。

 今でも、その頃の仲間たちとは細々と交流がある。彼らはもう、ネットの仲間ではなく、リアルの仲間たちに移行している。私たちがこだわったハーフサイズのカメラ、キヤノンデミは、三十五ミリフルサイズを半分にカットして撮影できるカメラだ。二十四枚撮りのフフィルムなら、四十八枚撮れる。三十六枚撮りのフィルムなら七十二枚撮れる。私たちは、キヤノンデミを愛する「デミーズ」という団体を主催していた。だから、子供が生まれたらデミと名付けようなどと言っていた。

 あれから十年。私たちは、ハーフサイズカメラのように、一つのものを半分こする夫婦になっていた。一つのシングルベッドで眠り、一つのお椀で味噌汁をすすり、一つの歯ブラシで歯を磨き、喜びも悲しみもお互いに分かち合って来た。きっとこれからも、いろいろなものを分かち合いながら、これまでと変わらない日々を過ごして行くのだろう。

 男女が密に関わること、同じ時間を過ごすことの楽しさを教えてくれたガンモ。一緒にライブに足を運び、鉄道乗り潰しの旅に出掛け、本当に多くの時間を一緒に過ごして来た。ガンモ、これからも変わらずにずっとよろしく。それから、これまで私たちを見守ってくださった皆さん、どうもありがとう。これからもガンまるをよろしく!

※いつも応援クリックしてくださっている皆さん、ありがとうございます。今日は、掲示板のコメントを少しお休みして、十周年の想いを綴ってみました。

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