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2006.06.01

パーソナル

 毎月一日は映画の日。そんなことを思いながらも、映画の上映時間にはとても間に合わない時間に仕事を上がった。上司は今日も出張でいなかったので、定時に上がることもできたのだが、さすがに連日、定時で上がるのは少々気が引ける。

 ガンモに電話を掛けてみると、またまた仕事が忙しく、帰りは遅くなると言う。映画を観る予定もなかった私は、一人でぶらぶらしたあと、ゆっくりと帰宅した。

 帰宅して一時間もしないうちに、玄関のドアがバタンと開いた。仕事が遅くなると言っていたはずのガンモが帰って来たのだ。私は驚いて、
「あれ? 遅くなるんじゃなかったの?」
と尋ねた。ガンモはそれには答えず、
「電話が通じない」
と私に言った。慌てて携帯電話を見てみると、電源がOFFになっていた。いつの間にか、電池が切れてしまっていたのだ。私は、予備の電池を持ち歩いているため、携帯電話は電池が切れるまで使う。電池が切れると、充電してあるほうの電池に切り替えて、切れてしまったほうの電池を充電しておくという方式を取っている。

 「電話が通じないから、映画を観に行ったのかと思ってた」
とガンモは言ったが、私と連絡が取れなかったことで、少々ご機嫌斜めの様子が見て取れる。一方、私はと言えば、ガンモの仕事が遅くなるというので、携帯電話に注目することなく、自宅で待機していたのだった。

 仕事で帰りが遅くなるはずだったガンモは、途中で予定が変更になり、いつもと変わらない時間に帰れることになったようだ。そのことを私に伝えるために、私に一生懸命電話を掛けていたのだが、電話がまったく通じないので、私が映画でも観ているのかと思ったらしい。そのとき、私の携帯電話は、私の知らないうちに電源がOFFになっていた。ガンモの仕事が予定変更になるという要因と、私の携帯電話がOFFになるという要因が重なって、ガンモと連絡が取れなくなってしまったというわけだ。

 携帯電話が世の中に広まって、便利になった部分もあれば、不便になった部分もある。不便になったと思うのは、携帯電話の便利さを知ってしまったからこそ感じることである。例えば、今回のように、電源がOFFになってしまうと通じなくなってしまうのは、不便なことである。しかし、必ずしも毎回、電源が切れるということが不便なことであるとは限らない。

 例えば、映画館などでは、電源をOFFにしておかなければ、他の人たちに迷惑になる。携帯電話はあくまでパーソナルなツールであり、映画の上映中に私に電話が掛かって来たとしても、その他大勢の人たちにとっては、何の関係もないことなのである。だから、電話を受ける人がパーソナルなモードに入っているかどうかで、携帯電話の便利さが決まるのだ。しかし、そこにはかつて、初めてテレビが自宅に届けられたときのように、近所の人たちが集まって一つのテレビを見入るといったような交流がなくなってしまっていることを意味している。

※いつも応援クリックしてくださっている皆さん、ありがとうございます。m(__)m 何だかこの記事を書きながら、映画館や電車の中で、個人宛に掛かってきた電話に無関心であることのほうが社会問題であるかのように思えて来ました。(苦笑)

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