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2006.06.05

餘部(あまるべ)鉄橋

 きのうの日記に書いた、カーナビの示す、
”走行中は操作できません”
というエラーメッセージについて、メールをくださった方がいたので、少し補足しておきたい。実は、自宅から三朝温泉に向けて車を走らせていたときに、カーナビの示すルートから何度となく外れてしまったのだが、リルートの処理が自動で行われないことがしばしばあり、その度に、走行中にリルートの操作を手動で行っていたのだ。そのときは、走行中であるにもかかわらず、
”走行中は操作できません”
というようなエラーメッセージは表示されなかった。だから、ましてや走行中でもないのにこのようなエラーメッセージが表示され続けるのはおかしいと思ったのだ。

 ガンモの話によると、カーナビは、現在走行中であるかどうかをサイドブレーキからの電気信号で判断しているらしい。ETCの車載機を取り付けるために、カーオーディオとカーナビの配線をいじくったときに、ガンモがサイドブレーキの電気信号をちょっと細工したようなのだ。しかし、細工したつもりが、実は配線ミスがあり、過電圧状態になってしまった結果、回路がショートしてしまったようだ。帰宅後にカーナビを分解してみたガンモは、ほんの一瞬でもカーナビの電源が入ったことが不思議なくらいの配線だったと言っていた。

 さて、私たちは、アナログの地図を頼りに、三朝温泉をあとにした。株湯に入らずに去って行くことは残念だったが、きっとまた来ると心に誓って出発した。

 私たちは、帰宅するまでの間に、寄っておきたいところがいくつかあった。まず最初に立ち寄ったのは、近々取り壊される予定の餘部(あまるべ)鉄橋だ。餘部(あまるべ)鉄橋は、列車に乗って何度か通過したことがあるのだが、その度に、鉄橋を見物できる高台に、たくさんの人たちが立っているのが目に入った。単に列車で通過するだけでなく、私たちもいつかあそこを訪れたいとガンモと話していたのだった。

 餘部(あまるべ)鉄橋周辺は、観光地になっていて、鉄橋の下にある駐車場はたくさんの自家用車で埋め尽くされていた。カメラを構えた人たちが、四十一.四五メートルもある鉄橋を下から見上げながら、真剣に写真を撮っている。列車と鉄橋をまとめて写真撮影したい人たちのためなのか、列車の通過予定時間まで書かれた時刻表が、数カ所に渡って張られている。餘部駅がすぐ近くにあるのだが、単なる駅の時刻表ではなく、餘部駅に停車しない列車の時刻まで記されているのだ。

 餘部(あまるべ)鉄橋のすぐ近くにある餘部駅は、高さ四十一.四五メートルの鉄橋とほぼ同じ高さの高台にある。つまり、餘部駅を利用しようと思ったら、鉄橋の高さと同じくらいある小高い山の上までえっさえっさと登らなければならない。通勤や通学に利用している人たちは、毎日、これだけの坂を登って、さぞかし大変だろうと思う。日頃から運動不足の私たちはひぃひぃ言いながら、餘部駅までの小高い山を登った。山道を登りながら、私は、二年ほど前に訪れた金比羅さんを思い出していた。こんな坂道では、列車に間に合わないからすべり込みセーフなんてとてもできないだろう。それでも、餘部駅がなかった頃は、もっと大変だったそうだ。

 餘部駅ができるまでの間、地元の人たちは、列車を利用するために、隣の鎧駅まで、餘部(あまるべ)鉄橋を歩いて渡り、更にはトンネルを四つも抜けて通っていたと言う。そうした状況の中で、あるとき餘部小学校の児童たちが、兵庫県知事に「餘部に駅をつくってください」と手紙を書いたと言う。その手紙がきっかけとなって、実際に餘部駅が建設されることになったのだが、児童たちは、駅を作るために必要な石を、すぐ近くの海岸からせっせと小高い山の上まで運んで手伝ったのだそうだ。そのときの様子が描かれた壁画が、餘部駅に掲げられている。

 餘部駅は、長い間、不便を感じ続けていた人たちの強い想いが集結され、ようやく建設された貴重な駅なのだ。そうした強い想いのこもった駅を、私たちは、列車に乗って、何度も素通りしてしまっていた。ここに来て、実際に汗をかきながら小高い山の上に登ってみて良かった。ここに駅がなかった頃のことを思うと、小高い山の上まで登るのが億劫だなとと口にすることは、罰当たりだとさえ思った。ここに駅があることのありがたみを感じながら、高台の上から見下ろす風景は、高所恐怖症の私にも優しかった。

※いつも応援クリックしてくださっている皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m 餘部(あまるべ)鉄橋は、来年の春から工事が始まり、数年かけて、コンクリートの鉄橋に取り替えられるそうです。工事が始まるまでは、今の鉄橋が見られます。お近くの方は、機会を作って、是非お訪ねください。

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