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2006.05.04

世界遺産劇場 結成30周年記念 ゴダイゴ特別コンサート「轟き」in東大寺

 七年振りに再結成されたゴダイゴがコンサートを行うというので行って来た。場所は、奈良県の東大寺。「世界遺産劇場」などというタイトルが掲げられているので、新しい劇場が建設されたのだろうと思っていたが、何のことはない、東大寺境内の大仏前に設置された野外ステージだった。つまり、世界遺産である大仏の前で演奏するというわけである。

 コンサートは、十八時半会場、十九時開演の予定だったが、十八時半頃会場に着いてみると、まだリハーサルの最中だった。野外ステージということで、リハーサルの音が完全に漏れ聴こえている。七年振りに聴く彼らの生演奏だ。入場待ちの観客は、会場の周りで彼らのリハーサルを聴きながらしばらく待つことに。リハーサル時の音合わせを聴くことができるのは、ある意味、光栄なことかもしれないが、これからコンサートを鑑賞しようとしている直前ともなると、まるで種明かしされているような気分にもなってしまう。そういう背景もあって、少し複雑な想いを抱きながら開場待ちをしていた。

 およそ十五分押しで開場となり、ようやく入場できた。中に入ってみると、大仏の前にいくつものパイプ椅子が並べられている。芝生に敷物を敷いて座っている人たちもいる。私は、野外の自由な雰囲気がとても気に入った。私の席は、芝生ではなく、指定席だった。あとで聞いた話によると、およそ三千人の観客が集まっていたらしい。

 開演もおよそ十五分押しとなった。すぐにコンサートが始まるのかと思いきや、大仏様の前でコンサートを開催するに当たって、東大寺のお坊さまのありがたい講話が始まった。早くゴダイゴに会いたいと思っていた私だが、どうしたことだろう。お釈迦様の話を聞くと泣けて来るのだ。お釈迦様がお生まれになって、わずか七日後に、お釈迦様のお母様は亡くなられたのだそうだ。のちにお釈迦様は、お母様が亡くなられたのはご自分がお生まれになったせいだと思い込み、ひどくふさぎ込むようになられたと言う。そこからお釈迦様の仏門への道が始まったと言っても過言ではないらしい。

 お坊さまは、お釈迦様からガンダーラへと話を繋げ、自分はゴダイゴの歌う『ガンダーラ』をあまり良く知らないが、ゴダイゴの人たちは、ガンダーラの背景を良く研究された上で歌を作られたに違いないので、大仏様の前で演奏するのにふさわしい音楽であるとおっしゃった。そして、音楽は、数千人の気持ちを一つにする力があると結ばれた。

 お坊さまの講話が終わり、いよいよゴダイゴの登場・・・・・・となったのだが、これまたどうしたことか、なかなか始まらない。ようやく照明がステージ用に切り替わり、音楽が流れ始めたのだが、いっこうに彼らを迎えるような雰囲気にならないのだ。とにかく、イントロの長い音楽で、なかなか本編が始まってくれない。観客はじらされ、じらされ、イントロが始まってから数分後に、ようやくゴダイゴのメンバーが登場した。会場からは、彼らの登場を待ちくたびれたような歓声が上がっている。彼らの姿は、七年前に拝見したのとほとんど変わりはなかった。そして、懐かしい曲が次々に演奏されて行く。

 今回のテーマは、「アジアの旅」ということらしかった。これまで彼らが発表して来たアジアに関する曲が次々に演奏され、曲を聴きながらゴダイゴと一緒にアジアをトリップするというものである。大仏様の前で演奏できるとあって、リードヴォーカルのタケもずいぶん興奮気味の様子である。

 とにかく、どの曲を聴いても懐かしい。懐かしい上に、古い曲に対して、新しいアレンジが加えられている。音楽はそうなのだ。演奏する人たちが同じでも、異なっていても、長い間演奏されて行くうちに、どんどん手が入り、新しいアレンジが加えられて行く。また、ボーカリストが年を重ねると、歌うときに高音が出なくなるために、曲のキーも低くなったりもする。しかし、それでこそ、古い音楽は生き続けるのだ。今回は、『モンキーマジック』の新しいアレンジを聴くことができた。その曲は、『MONKEY MAGIC 2006』というタイトルで、ニューシングルとして発売されるらしい。

 およそ二時間足らずの公演のうち、私の知らない曲はほとんどなかった。うれしかったのは、『Thank you baby』を生で聴けたことである。この曲は、テレビドラマ『西遊記』の中で、孫悟空が失敗したときなどに良く流れていた曲だ。私は、彼らの曲のほとんどの歌詞を英語で覚えていたのだが、三十年近く経った今でも、それらの歌詞がまだ頭に入っている自分がおかしかった。

 彼らは最初のうち、少し緊張していたようだったが、コンサートが中盤に差し掛かるにつれて、次第に彼ら本来の力が集結されて来た。ゴダイゴはやはり、熟練されたバンドである。解散し、バラバラになっていたエネルギーも、再結成により、集結させることができる。私自身も、二十代の頃から聴き込んで来たいろいろな音楽が、彼らの音楽的な素晴らしさを間接的に教えてくれているのを実感していた。中学生のままの私では、彼らの音楽の素晴らしさを理解することなどできなかっただろう。彼らの音楽を理解するには、あまりにも幼すぎたのだ。

 中学の頃は、盲目的なほど、タケのことしか観ていなかった。しかし、三十年近く経った今、私は、スティーヴの低音の声が、コーラス全体をぎゅっと引き締めていると感じる。私が音楽の中でも一番好きだと思う低音と高音のハーモニー。私は、ハーモニーを実現させたくて、中学の頃、自分の声を多重録音してハモっていた。だから、ソロアーチストではなく、ハーモニーの美しさを感じさせてくれるバンドが好きなのだ。

 ミッキーの踊るようなキーボード。浅野氏のエレキギターも正確で心地良い。とにかく、彼らの音楽には熟練というキーワードが浮かんで来る。ゴダイゴは、素晴らしいバンドだ。彼らはこれから、少なくとも三年間は活動するらしい。きっと、新たな音楽も生み出されるのだ。

 帰りにグッズ売場で、ゴダイゴのTシャツを二枚買った。夏になったら、このTシャツを着て仕事に行こう。

※いつも応援クリックしてくださっている皆さん、ありがとうございます。m(__)m ゴールデンウィークも終盤に差し掛かりました。残り少ないゴールデンウィークですが、思う存分、楽しんでください。

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