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2006.05.01

細倉マインパークと延泊騒動

 東北本線でいったん利府(りふ)まで出たあと、本線に戻り、石越(いしこし)で降りた。そこから、くりはら田園鉄道に乗り換えて、終点の細倉マインパーク前で降りた。くりはら田園鉄道の車内では、「さとう宗幸」さんと名乗る方が車内でアナウンスしていた。行きも帰りも同じアナウンスだったので、おそらく録音なのだろう。余りにも声が若いので、『青葉情恋唄』のさとう宗幸さんと同姓同名の車掌さんなのだろうと思っていた。

 くりはら田園鉄道、通称くりでんは、既に廃線が決定している私鉄(公共団体が出資している第三セクター)である。座席シートがとてもユニークで、四人掛けのクロスシートには、まるで、ここでパソコンを開いて「ガンまる日記」を書きなさいと言わんばかりに折りたたみ式のテーブルが付いている。また、東北地方を走る列車に多いのだが、四人掛けのクロスシートの隣には、二人掛けのクロスシートがある。私はこの二人掛けのクロスシートが特にお気に入りだ。向かい合わせで二人の世界を創造できるからかもしれない。

 細倉マインパーク前駅から十数分歩き、細倉マインパークに着いた。ここには、かつての鉱山用のトンネルを観光用に作り変えた坑道がある。途中、下を見下ろすような、金属板だけの通路があり、高所恐怖症の私にはかなり厳しいポイントになったが、ガンモに励まされながら何とか踏ん張ってそのポイントをクリアした。観光坑道の見学は、私たち以外に利用客はいなかったので、まるで貸切状態だった。私たちは、およそ四十分かけてその坑道を探検した。

 鉱山は、縦方向とと横方向に掘られていた。横の移動にはトロッコ列車が、縦の移動にはエレベータのような乗り物が使用されていたようだ。豊富な鉱石を惜しみなく与えてくれる鉱山を母体に見立て、鉱山の中にいる自分を胎児とみなす思想も生まれたようだ。一つを深く知るというこは、スピリチュアルな気づきに繋がって行くのだろうか。観光坑道には、宇宙の神秘や太古の文化を体験させてくれるコーナーもあった。ただし、単に坑道の体験だけに留まりたい観光客は、ちょっと引いてしまうかもしれない。

 細倉マインパークをあとにしようとしていた頃、私たちの心の中には、宮城県にもう少し滞在したい気持ちが浮上していた。仙台にはあと一泊滞在する予定だったが、まだ仙台市内を観光していないので、もう一泊延泊しようという話が、どちらともなく持ち上がったのだ。旅を終わらせたくない私たちの悪あがきである。

 しかし、私たちがホテルにチェックインしたとき、ホテルは満室だった。既に一泊しているので状況は変わっているかもしれないが、このまま延泊できるかどうかはわからない。また、帰りの切符もすべてリザーブしてあり、延泊するとなると、これらの指定券も再発行してもらわなければならない。それらの面倒な手続きが、すべて順調に運ぶのかどうか、私たちには見えて来なかった。私はガンモにこう言った。
「もしも私たちが仙台に導かれるなら、ホテルにも空室があって、切符の指変(指定席の変更)もうまく行くだろうね」

 細倉マインパークからの帰りの電車の中でインターネットに接続し、宿泊先のホテルの空室状況を確認してみると、現在、私たちが宿泊しているダブルの部屋には空室がなかったが、ツインの部屋には空室があった。私たちは、次第に延泊する方向へと動き始めたのを感じた。

 しかし、仙台駅に着いて、みどりの窓口に足を運んでみると、延泊したあとに私たちが乗車しようと思っている列車は既に満席だった。それでも、発車時間をずらせば、座席に若干余裕があるようである。しかし、ゴールデンウィーク中ということで、みどりの窓口はひどく混み合っていた。そのため、私たちは仙台に導かれていはないと判断し、予定通り、あと一泊だけしてから帰宅することにしたのだった。途中の東京で一泊するという話もあったのだが、それも却下することにした。

 「また来ればいいから」
とガンモが言った。すべての予定を消化し、満足してしまったら、もう一度、仙台を訪れたいとは思わないのではないか。それが、二人で旅を重ねて来た私たちの共通の価値観である。再び仙台を訪れるのは何年後になるかわからない。しかし、東北地方にはまだまだ乗り潰していない路線がたくさんある。だから、それらを乗り潰すために、再び仙台を拠点にするチャンスがあるはずなのだ。仙台は、もう二度と来ない場所ではないのだから。

 ホテルに帰ってから、さとう宗幸さんの活動状況をインターネットで拝見して驚いた。さとう宗幸さんは、仙台では大人気のテレビ番組の司会者だった。くりでん車内での、あの若い声のアナウンスは、『青葉情恋唄』のさとう宗幸さんご本人だったのである。

※栗原市のホームページより
細倉マインパーク

※この日撮影した写真
細倉マインパーク

※東北地方のゴールデンウィークは、南国育ちの私でも違和感なく快適に過ごすことができました。まだまだ探索していない場所がたくさんあるので、是非また訪れたいと思います。

※掲示板のコメントを書かせていただこうと思っていたのですが、やはり、旅行に出掛けると、なかなか時間が取れませんね。時間があれば書かせていただくと宣言していたのに実現できず、申し訳ありませんでした。書き込んでくださっているコメントの中には、一つのテーマとして取り上げたいコメントもあるので、今回の旅行の記事が落ち着いたら、「ガンまる日記」の中で記事として書かせていただくことになるかもしれません。そのときはよろしくお願いします。

※いつも応援クリックしてくださっている皆さん、本当にありがとうございます。そろそろ非日常に別れを告げ、再び日常に戻ろうとしているところです。いつも励みになっています。皆さん、どうもありがとう。m(__)m

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