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2006.05.24

映画『きみに読む物語』

 ガンモの仕事が長引いて、帰宅時間が遅くなると言うので、ガンモと待ち合わせをせずに一人で帰宅した私は、またまたDVDを鑑賞することになった。ずっと以前に、掲示板で交流させていただいているりさちゃんが、最も好きな映画だと教えてくれた映画『きみに読む物語』である。りさちゃんの最も好きな映画だと聞いて、私もこの映画を観たいと思っていたのだが、どういうわけか、なかなか巡り会うことができなかった。それが、ひょんなことから、いつも足を運んでいるレンタルショップで見つけてレンタルし、近いうちに観ようとわくわくしていたところ、ななちゃんからもこの映画が好きだという書き込みがあったのだ。

 この映画を観るまでは、『小さな恋のメロディー』のようにな、幼くも儚い恋の物語なのだと思っていた。しかし、まったく違うのだ。単に青春時代だけに留まる恋愛映画ではない。もっとスケールの大きい映画だ。映画の中では、二つの物語が進行している。物語の「中」と「外」だ。物語の「外」の世界には、物語を読み聞かせている老人と、物語に一生懸命耳を傾ける老女がいる。そして、物語の「中」の世界には、若い男女がいる。

 若い男女とは、レイチェル・マクアダムス演じる少女アリーと、ライアン・ゴズリング演じる青年ノアである。お金持ちの令嬢であるアリーは、ひと夏を過ごすために訪れたのどかな田舎でノアと出会い、ノアの猛烈なアプローチから、激しい恋に落ちる。とにもかくにも、「激しい」という表現がぴったりの二人なのだ。あるときは強烈に惹かれ合うが、あるときは逃げ道のないほど相手を追い込んでしまう。それでも、すぐに仲直りして、また強烈に惹かれ合う。

 お金持ちのアリーの両親は、ノアとは釣り合わないと、若い二人の仲を引き裂こうとする。そして二人は、運命に翻弄されて行く。

 映画を観ている間、ずっと思っていたのは、この映画は、既に自分の中にある、同じような激しい感情を、存分に引き出してくれる映画だということだった。何故、二人が激しい喧嘩を繰り返しても、すぐに元のさやに収まり、再び激しき引き合うのかが良くわかる。十代の頃、お互いの胸に激しく焼き付けた恋。外部からの圧力もあって、中途半端に終わらせざるをえなかった悲しくも切ない恋。その恋が、いつまで経っても終わらずに、お互いの中に残り、やがて愛に変わって行く。

 印象に残っているのは、二人が湖に出掛けたときに、大雨に降られるシーンである。お金持ちの令嬢であるアリーは、着ている服も高価で美しい。それにもかかわらず、大雨に濡れてぐちゃぐちゃになることを正面から受け入れ、ノアと一緒に楽しむ。大雨でずぶぬれになっても、二人は笑っているのだ。そんな無邪気な態度から、アリーには、ノアが側に居るだけで満たされているということが見て取れる。

 しかし、ボートが岸に着いた途端、アリーは昔のことを思い出し、ノアに対して激しい怒りをぶつける。激しく降りつける雨が彼女に思い出させたのは、達成されることのなかった過去の恨み言だった。雨にずぶぬれになったままの格好で、
「何故、あのとき○○してくれなかったの!」
とアリーは言う。決して、
「こんなに雨が降るのに連れ出して!」
というお嬢様的な文句じゃないのだ。

 そして、物語の焦点は、次第に老人と老女へと移行して行く。こういう映画を観ると、日本とアメリカでは、愛情表現がまったく違うことをまざまざと実感させられる。日本では、男女が長年連れ添うと、あからさまな愛情表現をしなくなる傾向にあるが、アメリカでは違う。長年寄り添っても、愛を表現し続けることを怠らない。そんな国民性がうらやましいと、私はいつも思ってしまう。

 それはさておき、いつも掲示板などで問いかけられるテーマが、この映画の中には、重要なテーマとして映し出されている。もしも私のホームページの掲示板に、アリーから書き込みがあったなら、私はどのようにコメントするのだろう。映画を観ながら、アリーの選択を受け入れている自分が居た。それは、映画だから受け入れられたのか。それとも、アリーとノアが真剣に愛し合っていることが伝わって来たから、受け入れられたのか。おそらく、後者だと思う。となると、掲示板で綴られる言葉よりも、映像のほうが、真実を映し出しやすいということなのだろうか。そんなことを考えながらも、二人のラブシーンに泣かされ、ぐじゅぐじゅになっている自分を静かに見守っていた。

※いつも応援クリックしてくださっている皆さん、どうもありがとうございます。この映画は、私にとっても、強く心に残る映画となりました。アリー役のレイチェル・マクアダムス、むちゃくちゃかわいい女性ですね。特に、若い頃に、強烈な恋愛体験をされた方は、共感できる映画かも。二人が抱き合ったり、キスしたりするシーンは、好きで好きでたまらないという感情を知っている人によって、確実に表現されたものだと思いました。そういうシーンに、とにかくぐっと来るのですよ。りさちゃん、ななちゃん、素晴らしい映画を紹介してくれてありがとう(^^)

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