« かわいい足には足袋を履かせるな | トップページ | ひょっとして更年期? »

2006.02.04

加悦(かや)SL広場

 城崎温泉からの帰り、豊岡から北近畿タンゴ鉄道に乗り、野田川駅で降りて、加悦(かや)鉄道の跡地を訪ねた。加悦鉄道は、昭和六十年に廃線になってしまった鉄道である。野田川駅から加悦町役場前までバスに乗り、加悦町役場のすぐ目の前にある加悦町観光協会の建物の中を見学した。そこには、加悦鉄道の現役時代に使われていたいくつもの道具が展示されていた。

 外にはたくさんの雪が降り積もっていた。雪はまだまだ降り止むつもりはないらしく、しんしんと静かに降っている。ガンモの計画では、加悦町観光協会でレンタサイクルを借りて、そこから二キロほど先にある加悦SL広場に向かう予定だった。そこには、引退した加悦鉄道の車両がほとんど残されていると言う。しかし、あまりにも雪がたくさん降っていたので、歩いて向かうことになった。おそらく、雪の多い地域で生活している人たちにとっては、これくらいの雪は平気なのだろうが、まだ雪と友達になれていない私たちは、降り積もった雪は恐ろしいものなのである。

 かつて、加悦鉄道が走っていた線路が舗装されたサイクリングロードになっていた。目的地の加悦SL広場は、サイクリングロードの終点にあると言う。ガンモは、
「ここから車で三分、自転車で十分くらいだから、歩くと三十分くらいかな」
と言った。そうして私たちは、雪の中をえっさえっさと目的地に向かって歩き始めた。しかし、歩いても歩いてもなかなか着かない。雪は時折降り止んで、一面の銀世界を私たちの前に映し出してくれる。雪に慣れていない私たちは、雪がとても眩しいことを知った。いくら歩いてもなかなか目的地に着かないので、
「私たち、ここで遭難するのかな」
などと大袈裟なことを言いながら、とにかく雪の中を突き進んだ。そして、ようやく目的地が見えて来たのだ。写真:加悦町

 四十分以上歩いて、ようやく目的地にたどり着いたのだが、私たちはとにかくお腹が空いていた。加悦SL広場の中には飲食店があったので、そこで昼食を取ることにした。そこでは、外にある食堂車の中で食事ができることになっていたので、私たちは食堂車に料理を運んでもらい、雪景色を見ながらゆっくり食べた。その食堂車は、見た目は普通の客車なのだが、随所にテーブルが取り付けられ、食堂車用に改造された車両のようだった。写真:加悦SL広場(1)

 今日中に家に帰れるのだろうかと心配になるほどたくさんの雪が降っていた。しかし、風が吹いていなかったので、私たちは施設の中を精力的に歩き回り、展示されているすべての車両を見て回った。その中でもユニークだったのは、郵便車両とストーブの付いた車両だった。機能的に作られたそれらの車両は、使っている人がいなくても、それが使われていた時代を容易に想像させてくれる。私は、ストーブの付いた車両にテーブルと椅子があるのがひどく気に入って、持っていた自分のノートパソコンを取り出して、そこでしばらくパソコン操作をしてみた。引退した古いその車両も、何十年か後に、車掌でも何でもない女性がパソコン操作をするのを受け入れることになろうとは思いもしなかったことだろう。写真:加悦SL広場(2)

 帰りのバスの時間までたっぷりあったので、施設の外にあるCAFE TRAINでゆったりとお茶を飲みながら身体を温めた。二十年以上も前に廃線になった鉄道も、このような形で温存され、有効利用されている。しかも、この施設を運営しているのは、旧加悦鉄道の会社だった。写真:加悦SL広場(3)

 ここに来れば、食堂車で昼食を取るという非日常を味わうことができる。そんなことを考えていると、つい先日、受験の記事を書いたばかりの私は、図書館車なるものがあってもいいのではないかと思ってしまう。私がここでそうしたように、書くことが好きな人は、場所を変えてでも集中したがる。多くの作家がホテルにこもって書きたがるように、受験生もまた、雰囲気を変えて集中したくなるのではないだろうか。だから、もう使わなくなった車両をちょっと改造して、テーブルと椅子を並べたら、窓の外の景色を眺めながら息抜きできる素敵な図書館が出来上がるのではないだろうか。

 加悦SL広場をあとにした私たちは、西舞鶴から特急タンゴディスカバリーに乗って京都まで出て京都で遅い夕食を取ったあと、帰宅した。

※皆さん、いつも応援クリックをありがとうございますm(__)m

|

« かわいい足には足袋を履かせるな | トップページ | ひょっとして更年期? »