滑り込みセーフ
この週末に、私の実家方面で行われるラジオの公開録音の入場券が、私の地元のラジオ局から届いた。私の好きなアーチストが出演するのである。ガンモと一緒に参加したくて、私やガンモの名前はもちろんのこと、実家の父母の名前を借りてまで応募したのだが、当たったのは私の名前で応募した一枚だけだった。こうした入場券は、一枚で二人まで入場できることもあるのだが、あいにく今回は一人しか入場できないようだ。
「まるみだけ当たったの?」
と、ガンモが残念そうに言った。去年行われた同じイベントでは、実家の母が公民館に入場券をもらいに行ってくれたおかげで、ガンモと二人で入場できたのだが、その前の年は競争率が高く、一枚しか当たらなかった。だから、二人で一緒に出掛けて行ったのに、私だけが入場した。あのときガンモは、寒い中、ラジオの収録が終わるまで、一人で外で待っていてくれたのだった。
一緒に出掛けては来たものの、こうした入場券に一人しか当選できなかったという例は、他にもある。あれは確か、三重県でラジオの公開録音が行われたときのことだった。ガンモと私、それぞれの名前で応募したハガキのうち、ガンモの名前で応募したハガキだけが当選した。ガンモは、
「当たったのは俺だ」
と喜んでいたのだが、もともとそのアーチストを好きなのは私だったので、ガンモは当選した入場券を私に譲ってくれた。
ガンモの運転で三重県まで出向き、私はガンモに譲ってもらった入場券を握りしめ、寒い中、入場待ちの列に並んでいた。こうした入場券には、整理番号が記載されていないため、早く並んだもの勝ちのことが多いのである。外は寒いので、ガンモは車の中で待機してくれていた。並び続けること数時間、いよいよ入場という段階になって、私のすぐ前に並んでいた地元の人が、
「来られなくなったお父さんの分が余ってるのよね」
と話しているのが聞こえて来た。こうしたラジオの公開録音は、地元優先の場合が多く、地元の人たちが入場券を余らせていることがあるのだ。その会話を耳にした私は、勇気を振り絞って彼らに話しかけた。
「あの、もしよろしければ、余っている入場券をお譲りいただけないでしょうか。夫が車の中で待っているのですが」
私の申し出を聞いた地元の人は、余っている入場券を快く譲ってくださった。私は大急ぎでガンモに電話を掛け、事情を説明し、すぐに列に並びに来るよう促した。しかし、既に入場が始まっていて、もしかするとガンモが駐車場から駆けつけるまでに間に合わないかもしれない。私はハラハラドキドキしながらガンモの到着を待っていた。さあ、いよいよ私も入場するという段階になって、ようやくガンモが私の元へ駆けつけ、滑り込みセーフで列に加わった。本当に間一髪だった。私たちは、入場券を譲ってくださった地元の方に厚くお礼を言って、二人でラジオの公開録音を楽しんだ。
もともとガンモの名前で応募したハガキが当たったのに、ガンモが思い切って入場券を私に譲ってくれたことが幸いして、ガンモの手元に入場券が再び巡って来たのだと思う。このような状況もまた、時間差のない状態である。今回も、このようなことが起こってくれないか、ちょっぴり期待している私である。そのためには、今度は私がガンモに入場券を譲るべきなのか?
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