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2006.01.27

ガンモ仕様

 私たちのプロジェクトに新しい派遣仲間が増えたので、他の派遣仲間を誘って、イタリアンレストランでお食事会を開いた。業務内容が異なると、みんなが黙々と仕事をしている静かな職場ではほとんど会話をするチャンスに恵まれないため、こうした形で派遣仲間同志の横の繋がりを持つことはとても大切なことなのである。私たちは、おいしいスパゲティを食べながら、お酒も入って、すっかりリラックスモードになっていた。

 派遣仲間の一人が、以前の派遣先で、セクハラに遭った話を聞かせてくれた。彼女は結婚しているにもかかわらず、何と、派遣先の警備員さんに一目惚れされてしまい、アプローチされたのだと言う。駅のホームで待ち伏せされたこともあったらしい。しかも、相手は定年退職して警備の仕事を始めたくらいの年齢の男性だったとか。

 その話を聞いた別の派遣仲間が、実は私も・・・・・・と深刻な顔で語り始めた。彼女は、以前の職場で同じプロジェクトの男性に好意を寄せられ、三十分限りの約束で一度だけ飲みに行ってしまったばっかりに、しつこいメール攻撃を受けていたと言う。彼女が風邪で咳き込んでいると、彼女の机の上に手書きの手紙とマスクが置いてあり、手紙を開封してみると、「これをつけて早く風邪を治してください」などと書かれてあったと言う。彼女は、メールでもはっきり迷惑であることを伝えたし、態度でも示しているのに、何故あんなにしつこくできるのかとあきれ果てていた。最初のうちは、同じプロジェクトのメンバーということもあって、周りに悟られないように拒否していたらしいが、だんだん相手の行動がエスカレートして来るので、とうとう周りの人たちに守ってくれるように応援を頼んだと言う。

 何故、自分が拒絶されていることをいつまでも受け入れずに盛んにアプローチできるのだろうという話になり、やはり、初期の段階で、相手を受け入れているかのような印象を与えてしまったことが原因だという結論に達した。初期の段階で膨らんでしまった妄想が、いつまでも相手の中で輝き続けてしまうのだろう。

 家に帰ってガンモにこの話を聞かせたときに、私はふと、自分自身のことを振り返ってみた。これまで私に、猛烈なアプローチをして来た男性が居たかどうかということである。
「警備員さんと言えば、○○○に行ってた頃、まるみのことを気に入ってくれた警備員さんがいたじゃん」
とガンモが言った。そう言えば、確かにそんな警備員さんが居たのだ。警備員さんは、企業の門の入口で外来者の入場チェックを行う。私はその当時も派遣社員だったので、毎日、その警備員さんのいる門の前で記帳して入場していた。あるとき、私がカメラを首からぶら下げて入場しようとすると、その警備員さんに引き止められた。しかし、
「私は趣味でカメラを持っているだけであって、これを使ってスパイ行為を働くわけではない」
と断言すると、
「今回だけは大目に見ますが、今度からは絶対に持ち込まないようにしてください」
と注意をしただけで、私をそのまま通してくれた。その会社は、大手コンピュータメーカである。当然、セキュリティも大変厳しく、ノートパソコンを持ち込むのにもチェックが入る。だから、カメラを首からぶら下げて入口の門を通るなど、通常では考えられないことなのである。その警備員さんは、私が同じ職場の人たちと一緒に居酒屋でお酒を飲んでいたとき、たまたま同じ店に居合わせて、私たちのテーブルにいくつかのお料理をご馳走してくれたこともあった。

 派遣仲間の話を聞いて、そんな懐かしい話を思い出した私だが、決して、その警備員さんに猛烈アタックされたわけではない。私の人生を振り返ってみても、私のアルバイトが終わるのを外で待ちぶせし、告白しようかどうしようか、もじもじしているような男性には出会って来たが、派遣仲間の彼女たちが体験したような猛烈アタックは受けていないのだ。自分が好意を持って欲しくない男性に対してのガードが固かったのかもしれない。ある程度、相手の気持ちを察すると、先回りしてしまうのだ。

 私はガンモに言った。
「私は特別仕様だから、あんまり男性が寄って来ないんだよ。いや、特別仕様というか、ガンモ仕様だな」
と言ってみた。もしかすると、これは、モテない女の強がりのように思われるかもしれない。でも、私はガンモ仕様でいいのだ。

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