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2006.01.10

「えべっさん」を見送る

 前日の夜、ガンモを乗せて二十一時十分に東京駅を出発した寝台特急出雲は、十一時前に島根県出雲市着いた。ガンモはそこから青春18きっぷを使って、ガタンゴトンと普通列車を乗り継いで帰って来た。ガンモから、「今、岡山にいる」とメールが入ったのは十七時半頃のことだった。ガンモの到着に合わせて、私たちは二十時過ぎに三ノ宮で待ち合わせをした。ガンモが乗っている新快速電車が三ノ宮駅のホームに入線して来たとき、私はホームの後ろのほうで待機していた。しかし、ガンモは鉄道好きの習性から、前方車両に乗っていたのだ。そのため、ガンモと再会できたのは自宅の最寄駅だった。ホームの前方から歩いて来る懐かしいガンモの姿を確認したとき、私はガンモを抱きしめたい衝動に駆られた。一日ぶりに再会したガンモは、
「疲れた、疲れた」
を繰り返した。乗り換え時間も含めてしまうと、ガンモはおよそ二十三時間もの間、列車に乗りっぱなしだったわけだから、無理もない。さすがのガンモも、
「しばらく、もう、列車はいい」
と弱音を吐いた。

 一月十日は、関西地方では有名な商売繁盛の「えべっさん」が開催されている日だった。本来なら、去年と同じように、西宮えびす神社にお参りに行こうと思っていたのだが、ガンモの疲労が激しいので、今回は見送ることにした。私は、お札の付いた新しい笹を買ってガンモに御祓いをするのがとても楽しみだったが、疲れた身体で人混みの中に出掛けるのは、ガンモの疲労を増幅させるだけだと思い直した。

 西宮えびす神社に出掛けられなかったので、去年の笹で、ガンモの後厄の御祓いをしてあげようと思っている。おそらくそんな人はあまりいないと思うのだが、笹やお札が本当に、一年きっかりで効力が失せてしまうとは思えないのだった。

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