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2005.08.07

個を楽しむ

 寝台特急で少々寝不足のまま始まった旅行は、私がその日に実践すべきことを少しずつ遅らせてしまうかのように思えた。私は、またまた受験英語を思い出した。Don't put off till tomorrow what you can do today.実際に、その日にできなかったことが、少しずつ翌日、また翌日にずれ込んで行く。睡眠不足で眠いのに、ガンまる日記は書いておきたい。青森の町並みを写し出した写真も紹介したい。掲示板にコメントも書きたい。こんなふうに、私の中に次から次へとやりたいことが浮上して来ても、なかなか身体が言うことをきいてくれなかった。しかし、旅の予定は待ってはくれない。

 私たちは、いつもより早めにホテルを出て、函館朝市に出掛けた。函館朝市は、全体的に上野のアメ横のような雰囲気で、海産物を中心に、かなり商売っ気のあるお店が立ち並んでいる。水が冷たいせいか、北海道には、夏のこの時期でもカニが採れるのだ。夏場に生きたカニが店先に並んでいるのは珍しい。

 私たちは、ガンモがインターネットで下調べをしてくれたお店で海鮮丼を食べた。かなり有名なお店らしく、朝からたくさんのお客さんたちで賑わっていた。そこで感じたのは、扱うお客さんの数が多くなると、一人一人への対応が雑になってしまうということだった。対応に感情がこもらず、来てくれてありがたいという店側の気持ちが伝わって来ない。オーダーしたくても、店員さんはいつも、他のお客さんの対応で手一杯である。私は、これらの状況を、ホームページの運営と重ね合わせて考え、この状況を、わざわざ見せられているのだと思った。人と関わる一つ一つの作業は、流れ作業ではない。こなして行くのではなく、個々に向き合って行く作業なのだ。だから、一見、同じように見えていても、関わる対象が違って来れば、一つ一つ違うものになって来るはずだ。そして、むしろ、それぞれの違いを楽しむべきなのだと思った。

 それから私たちは、一日乗車券を買って、函館の路面電車を乗り潰した。函館の路面電車は、およそ五分から十分ごとに運行されていて、車両のバリエーションも多かった。私はやはり、個を楽しんでいるのだと思った。だから、個を大切にして行きたいと思った。

 路面電車を堪能しながら、立待(たちまち)岬と石川啄木一族のお墓を訪れた。私は知らなかったのだが、立待岬は、森昌子さんの歌で有名らしい。石川啄木一族のお墓は、立待岬に向かう途中にあった。そのお墓には、お供え物目当てのカラスがたくさん生息していた。何か食べ物を見つけては、その大きなくちばしではさみながら、食べていた。私は、彼らのような生き物がいるからこそ、他の鳥たちが可愛がられているのではないかと思った。その容姿や鳴き声からも、彼らが闇の世界を守っているのがわかる。光の世界と闇の世界は、見えないところで既に一体なのだ。光と闇は同時に存在しているのに、私たちがその片方しか体験できないだけなのだ。

 路面電車を乗り潰したあとは、函館山に登って夜景を見る計画だったのだが、お天気が悪かったため、予定を変更して赤レンガ倉庫に出掛けた。実は、函館は、私が東京に住んでいた頃、社員旅行で函館に来たときに体験していた。ガンモは函館は初めてだったのだが、ロープウェイは鉄道の乗り潰し対象にはならないからと、赤レンガ倉庫に行くことにしたのだ。

 赤レンガ倉庫には、雑貨などを扱うお店がたくさん集まっている。私は石を扱うお店で、掲示板で交流させていただいているmikiさんに教えてもらった第二チャクラに良いとされているムーンストーンを探した。そして、第二チャクラのオレンジ色をしたオレンジムーンストーンのブレスレッドを見つけ、これだと思い、購入した。それを早速左手につけてみると、物凄いパワーで私に急速に馴染んだので、私はそのお店に戻り、これと同じものがあればもう一つ欲しいとリクエストしてみた。しかし、お店の人には、眉毛を八の字にされ、もう在庫はないと言われてしまった。身につけた途端、こんなに馴染んだ石は初めてだった。mikiさん、いろいろ調べてくださってありがとう。

 赤レンガ倉庫を出る頃には、赤レンガ倉庫の周りに美しい照明がともされていた。赤レンガ倉庫から私たちの宿泊しているホテルまでは、歩いて帰れる距離だったので、私たちはてくてく歩いた。その途中にある居酒屋風のお店で、夕食に海鮮ラーメンを食べた。これがまた素晴らしくおいしかった。北海道は、料理に入っている具が大きい。何でもまるごとたっぷりだ。お昼ご飯も海鮮ものだったので、今日一日、海鮮三昧の私たちだった。

 ホテルに帰るともうヘロヘロで、ばたんキュー状態だった。それだけ充実して、たくさんの気づきと発見のあった一日だった。

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