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2005.04.30

開かずの扉

 我が家には、開かずの扉がある。と言っても、ここでいきなり怪談を始めたいわけではない。埋め込みタイプの物置の扉なのだが、扉の前にたくさんの荷物を置いたままにしているために、何年もの間、開けられることなく過ごして来たのだ。

 しかし、この夏に、ガンモの加入している保険の契約更新をしておかなければ、これまで掛け続けて来た保険がすっかり効力を失ってしまうらしい。私は、保険のことはさっぱりわかろうとはせず、すべてガンモに任せてある。ガンモによると、保険の契約を更新するための証書は、開かずの扉の中にあると言う。

 せっかくの春季休暇だ、何か家で働かなければと思い、私は意を決して、開かずの扉の前にある荷物をいったんよそへやって、開かずの扉を開けたのだ。

 久しぶりに開けた開かずの扉の奥で見つけたものは、探していた保険の証書や古いコンピュータ雑誌、使われることのない数多くの雑貨の他に、何年か前まで私たちが身につけていた衣服だった。私はそれらを手に取って見てみた。
「えっ? こんなサイズのジーンズ履いてたんだっけ?」
驚いてしまった。それは、今ではとても履けないようなサイズのジーンズだったのだ。そんなジーンズが何本も、ひっそりとそこに収められていたのだった。一体何年ここにしまいこんだままにしていたのだろう。

 どうやら我が家には、いろいろなサイズの衣服があるらしい。もう着られなくなった衣服など、捨ててしまえばいいと思う方もいらっしゃるかもしれないが、もしかするとまた着られるようになるかもしれないというわずかな望みを捨て切れないでいるために、衣服も捨て切れないのである。そのために、余計に荷物が増えて、開かずの扉を作リ出す要因になってしまっていたりする。とにかく私たちは、切り離すことが苦手なのだ。

 さて、開かずの扉の前には、再び元の荷物を置いて、再び封印してしまった。今度開けるときには、今日見つけたジーンズを探す目的であって欲しいものだ。

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