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2004.10.08

吉田拓郎ライブ

 今日は定時で仕事を上がって、フェスティバルホールで行われる吉田拓郎さんのライブに出掛けた。このチケットは、苦手アーチスト克服<その後>で書いた通り、ガンモが取ってくれたチケットだ。私は19:00からの開演にはちょっと遅刻してしまった。ガンモは仕事が休みだったので、既に席に付いて演奏を聴いていた。ステージを見ると、たくさんの人が演奏している。確か、今回のツアーは、総勢二十四名のバンド構成だとか。でも、肝心の拓郎さんの姿が見えない。

 ガンモに、
「ねえ、拓郎さんは?」
と尋ねると、
「ううん、まだ出て来ていないと思うんだけど。いるのかなあ?」
最初から観ているガンモにも、良くわかっていなかったらしい。結局、私が入場したときに演奏されていた曲が一曲目で、その曲のあと、大きな拍手に迎えられて、拓郎さんが登場した。

 ガンモも私も、吉田拓郎さんの熱狂的なファンというわけではない。アルバムも何枚か持ってはいるが、真剣に聴き入ったという記憶もない。ただ一つ接点があるとすれば、それは広島だ。私は、最終学歴となっている大学に入学する前の一年間、広島に住んでいた。広島の大学に現役で入学したのだが、わずか二ヵ月で休学し、予備校に通って再受験したのだ。そのとき休学した大学が、吉田拓郎さんの出身大学と同じなのだ。だから、私にも、彼の広島魂が少しだけわかる。あと、ゆうべのステージを観ていて思ったのは、拓郎さんの魂と奥田民生くんの魂が私の中でだぶって写っていたということだ。奥田民生くんは私と同い年だが、以前、「ロックロックこんにちは!」という野外ライブでリラックスしながら寝転がって、複数のアーチストの演奏を聴いていたとき、突然彼の演奏が始まって、その素晴らしさに「このアーチストは一体誰?」と、慌てて飛び起きたという経緯がある。そう、彼らに共通しているのは、力を抜いているようでいて、実はしっかりと力を入れているところではないだろうか。

 拓郎さんはMCで、エレックレコードに入社してから現在に至るまでの苦労話を面白おかしく聞かせてくれた。その中で印象的だったのは、「これまで起こって来たことがすべて偶然だとしたら、これからの人生にもどんどん偶然が起こって行くはずで、そう考えると、これからも人生もわくわくする」という言葉だった。私はむしろ、拓郎さんの考えとはまったく逆で、「すべてのことは必然で起こっている。魂の計画の緻密さには驚かずにはいられない」という考えなのだが、それでも、こんなふうに説明されると納得してしまうところが拓郎さんのすごいところだと思った。「逆もまた真なり」という言葉もあるが、まさにその通りだと思った。ある面を、同じ方向から見ている人もいれば、反対から見ている人もいる。しかも、どちらの結論にも納得できてしまうと、物事の持つ陰と陽の面をいっぺんに吸収できたような達成感がある。

 ライブはおよそ三時間も続いた。チケット代金も10,500円と、通常のライブよりは割高だったが、サービス精神満点のライブだったと思う。拓郎さんはギターを何度も交換していた。私がいつも観ているアーチストも、ギターを頻繁に取り替えているが、そういうアーチストは少ないと思っていたので、新しい発見だった。

 バックバンドの人たちも、一生懸命演奏されていたのだが、まだステージ慣れしていないのか、それとも、スタジオミュージシャン暦が長いのか、はたまた、単なる練習不足なのか、下を向いて演奏する人が多かった。私はやはり、ライブでは、ギターのプレイに注目する傾向にある。ギタリストには下を向いて演奏して欲しくないし、また、自分だけの世界に酔いしれて演奏して欲しくもない。しかし、歌のないスタジオミュージシャン風のギタリストたちは、こんなふうに地味な人たちなのだろうかと思った。

 ライブが終わって私たちは、大阪駅から「急行だいせん」に乗り、米子へと向かった。

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