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2004.09.13

繋がらない電話

 夕方から急に打ち合わせが入ってしまい、会議室にこもっていたら、その間にガンモから何度も連絡が入っていたようだ。携帯電話はとても便利だが、ひとたびその便利さを知ってしまうと、今度は繋がらないときの不便さを思い知ることになる。

 打ち合わせが終わって、席に戻ると、
「携帯電話がずっと鳴ってたよ」
と同僚に言われた。マナーモードにしていなかったので、同僚には申し訳なかった。慌ててガンモに電話を掛けてみたが、電波の届かない地域にいるとのアナウンスが流れて繋がらない。そのあと仕事を上がって外に出た頃、ようやく繋がった。

 ガンモは、夕ご飯を一緒に食べようと電話を掛けて来たらしい。私は打ち合わせのため、まだ食べていなかったが、電話が繋がらなかったので、一人でもう食べてしまったと言う。
「これから三宮まで出るから、そこで待ってて」
と言うと、ガンモは本屋さんで時間を潰しながら、私が三宮に向かうまでのおよそ四十五分間、そこで待ってくれることになった。

 ところが、三宮に着いてガンモの携帯に電話を掛けてみたが、またまた圏外で何度掛けても繋がらない。私は、家に帰るのが遅くなるので、ガンモの携帯電話が通じるようになるのを待ちながら、一人で軽い夕食を取ることにした。何だかむなしかった。ただ電話が繋がらないだけでも、こんなにむなしくなるものだろうかと思った。

 夕食を食べ終わる頃、ようやくガンモから電話がかかって来た。時間を潰していた本屋さんが圏外だったということに、やっと気づいたみたいだった。私は、
「携帯電話を持ってるのに意味ないから」
などと膨れっ面をしたが、もとはと言えば、ガンモが一生懸命電話を掛けているときに、私が打ち合わせをしていたことが、ことの発端だった。

 相手に対して行った行為は、やがて自分にも返って来るなどと言うが、今日の私たちはまさにそれだった。きのうは消化と吸収のはなしを書いたが、今日の出来事も、まさしくそれに近い現象だと思う。私たちは、こうした現象がすぐに起こり、ただちに相手の立場を理解することが多いが、場合によっては、相手の立場を理解するのが次の転生になってしまう組み合わせもある。そういう組み合わせもまた、消化と吸収に時間がかかってしまう関係なのだろう。

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