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2004.08.28

詐欺未遂事件の余韻

 ゆうべ、ガンモが仕事から帰って来てからも、私は興奮状態だった。ガンモは比較的落ち着いていたが、私はガンモの前で、電話でのやりとりを何度も何度も繰り返し聞かせた。電話を受けたときの胸が苦しくなる想い、犯人グループの迫真の演技が、どうしても忘れられない。いつの日か、本当にあんな電話を受けることがあるのだろうか。そのときの予行演習だったと思えばいいのかもしれない。でも、加害者になることだけは絶対にイヤだ。私が詐欺で良かったと思えるのは、その部分だ。それは、責任を負いたくないという気持ちからなのかもしれないし、人々の許しのレベルが、まだまだ低いことを気にかけているのかもしれない。つまり、アンバランスな状態に耐えることができないのだろう。

 ガンモは、ちょっと意地悪なモードに突入している。まるで、決して私を甘やかすまいと心に決めているかのようだ。
「詐欺にひっかかるの禁止!」
などと言う。
「ひっかかってないよ。ひっかかりそうになっただけだよ」
と私が言うと、ガンモは、
「俺は、まるみの前だったら泣くかもしれないけど、警察の前なんかで絶対に泣かない」
ときっぱりと言った。更に、
「それに、電話で話すなら、まるみの名前をちゃんと呼ぶから」
と付け加えた。

 確かにその通りだ。気が動転している上に、相手が泣きじゃくっていることに気を取られてわからなかったが、相手は私のことを「まるみ」とは呼び掛けてくれなかった。ガンモなら、絶対に「まるみ」と呼んでくれるはずだ。

 それにしても、犯人グループは、電話を掛けて来るときに、ある程度の下調べをしておくのだろうか。電話に出た人の様子で、「ご主人さんが・・・・・・」と言ったり、「息子さんが・・・・・・」と言ったりするようだが、私の場合は、いろいろな条件が当てはまってしまっていたのだろう。しかし、あれだけの演技ができるのなら、劇団に入ったとしても、十分食べて行けるのではないだろうか。コンピュータウィルスの作者もそうだが、その能力をもっと別の方面に使ったほうがいいと私は思う。

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