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2004.08.12

ガンモの涙

 朝、起きると、ガンモの熱は引いていた。とにかく、熱だけでも引いてくれて良かった。 

 今日の私の仕事は、予定よりも早めに終わった。一緒にご飯を食べようと、ガンモに電話を掛けてみたところ、今日も歯医者さんで治療をしてもらったらしい。しかし、歯ではなく、頬に痛みを感じるガンモに、その原因がわからないと歯医者さんに言われたのだと言う。そのため、これまでとは違う薬をもらったのだそうだ。ガンモはとても気弱になっていて、これからすぐにでも仕事を上がって、胃の中に何か入れてからその薬を飲みたいと言った。私の勤務先からガンモの勤務先まで、1時間ほどかかってしまうため、早く薬を飲みたいガンモを待たせるわけには行かなかった。

 自宅近くの駅に着いたとき、もう一度ガンモに電話を掛けてみると、ガンモはもう家に着いていた。
「まるみ、早く帰って来い」
とガンモは言う。電話の向こうでガンモは、風邪のために咳き込んでいる。

 帰宅してみると、ガンモはベッドの中でうんうんうなっていた。きのうとは別の、私のワンピース型ルームウェアを着込んでいる。ガンモの身体を触ると、ひどく熱かった。私がベッドを覗き込むと、ガンモは私の顔を見るなり、涙を流し始めた。私の顔を見て安心したのだと思う。きっと、ガンモ一人ならば泣かなかっただろう。

 急いで氷枕を作って冷やす。そして、先日私が病院にかかったときにもらった、鎮痛作用のある湿布薬をガンモの頬に貼る。いつだったか、私の右手の甲が突然、痛みとともにふくらみを帯びたので、病院に行ったのだ。そのとき、病院で処方してもらったその湿布薬を貼ると、腫れが一日で引いたのだ。その湿布薬が今、ガンモの役に立つことになろうとは・・・・・・。

 ガンモは、明日の夜から乗るはずの鉄道模型を取り出して、
「これに乗りたかった」
などと言う。ガンモは病気になると、とても気弱になる。そして、ガンモが気弱になるといつも、私は冷静さを取り戻し、気弱になってはいけないと、ガンモを叱咤する。

 私は、病人を病人扱いしたりしない。時々叱咤しながら、自分の力で治って行くのを見届ける。大丈夫、ガンモはきっと回復するだろう。

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