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2004.07.13

財布をひとつに

 結婚してすぐに、私は派遣社員として関西で働き始めたのだが、そこで知り合った独身男性に、
「ご家庭では、お金の精算はどのようにされてるんですか?」
と尋ねられた。当時の私たちは賃貸アパートに住んでいたので、
「家賃は夫の口座から引き落とされて、生活費ともろもろの口座引き落としは私の担当ですよ」
と答えた。その男性は、しばらく考えてから、
「じゃあ、財布が二つあるんですね」
と言って、含み笑いをした。

 私は、この男性に言われたことの意味が、しばらくわからなかった。その男性に説明を求めると、ガンモのお金、まるみのお金というふうに、お金を分けて考えているうちは、例え夫婦であっても財布が二つあるということになるのだそうだ。

 それからすぐに、私たち夫婦はお金に関する考え方を改めた。それまで、自分の口座のキャッシュカードしか持っていなかった私たちが、お互いの口座に家族カードを作って、それぞれ持つようにした。ガンモのお金、まるみのお金という意識を持たなくなり、お互いの口座のお金を自由に引き出すようになった。今になって思えば、こんな当たり前のことをどうしてもっと早く実践しておかなかったのかと思うのだが、結婚したばかりの私にとっては、この男性に言われたことはかなりカルチャーショックだった。

 あの独身男性は、もうご結婚されたのだろうか。彼自身の恋愛について深く聞くこともなく、派遣の契約が切れてお別れになってしまったのが残念でならない。彼のおかげで、私たち夫婦の財布が一つになれたというのに。この場をお借りして、ありがとうと言いたい。

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