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2004.06.21

台風が来れば思い出す

 台風が来れば思い出すのが、初めてガンモと顔合わせをしたときのことだ。そう、私たちが初めて会ったのは、何年かぶりに都内にやって来た大型台風の日だった。

 パソコン通信の写真フォーラム電子会議室(現代で言うところの掲示板)で知り合った私たちは、ガンモの上京に合わせてボードの常連たちとガンモの迎撃オフを開催することになった。場所は、同じくボードの常連のM月さんのお店、南青山レチナハウスである。(現在は、残念ながら閉店)

 当日の朝、ニュースを見ながら、一部の電車が止まっているという情報を得た私は、
「台風です! 台風です! もしかしたら行けないかも」
などとボードに書き込んだ。それを読んだM月さんからお電話をいただいて、
(M月さんと私は、歩いてわずか数分という近所に住んでいた)
「あんな書き込み読んだら、みんな来なくなっちゃうんじゃないの?」
と言われた。それもそうだった。せっかくガンモが上京しているというのにかわいそうだ。

 台風は、報道されていたほど大型ではなく、私はさほど苦もなく南青山レチナハウスにたどり着いた。既に何人かのボード仲間も来ていた。台風の中、集まったということで、ボード仲間たちの気持ちの上での結びつきはとても強かったのではないかと思う。M月さんに、
「ガンモさんは?」
と尋ねると、まだだと言う。

 ガンモが南青山レチナハウスに到着したのは、それから数十分経った頃だったろうか。以前ここにも書いたが、ガンモとは初めて会った気がまったくしなかった。初めて会ったのに、どこかで会ったことのあるような既知感が漂っていたのだ。ただ、このときはまだ、将来的に付き合うようになるとか、よもや結婚相手になろうなどとは思ってもみなかったのだ。

 ガンモはボードではたくさん面白いことを書き綴るのに、面と向かい合うとほとんどしゃべらなかった。そのギャップが面白くもあったが、今でも最もガンモらしいと思えるのが、みんなでお昼を食べにレストランに入ったときに、他の人たちにならって、ほとんど飲めないビールを注文していたことだ。私はビール好きだから、当然のように注文していたのだが、ガンモが食事の最中にアルコール類を注文することなど、普段の生活ではまったく有り得ないことだったのだ。

 だから私は今、これを書きながら、ガンモの優しさを感じて涙が出て来る。みんながあっちを向いていたら、和を乱さないようにと、自分も一緒にあっちを向く。ガンモはそういう優しさを持った人なのだ。

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